1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671855
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北田 泰之 岡山大学, 歯学部, 助教授 (80018423)
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Keywords | ラット / 再生味蕾 / 塩味応答 / アミロライド |
Research Abstract |
ラットの鼓索神経Na応答は、アミロライドで制御されるアミロライド感受性Na応答(受容膜のNaチャネルが関与)とアミロライド非感受性Na応答(味細胞の間にあるタイトジャンクションが関与するといわれている)に分けられる。成育したラットの鼓索神経を切断し、その後に再生してくる再生味蕾は、どのようなアミロライド感受性を示すか調べた。また、タイトジャンクションを塞ぐ三価のLaイオンの効果も調べた。SD系ラットを用い、鼓索神経切断後2.5-5カ月間飼育したラットで以下の実験結果を得た。1.鼓索神経切断後2.5カ月のラットで大きなNaCl応答が記録できた。組織学的検索においてこの時期までには再生味蕾ができていることが分かった。2.0.25-0.5Mの濃度でNaCl応答およびNaAc応答に対する0.1mMアミロライドの効果を調べた。アミロライド感受性Na応答成分は鼓索神経切断後2.5-5カ月のラットでNaCl刺激の場合NaCl応答の約50-60%(0.5M)であり、NaAc刺激の場合NaAc応答のほぼ100%(0.25-0.1M)および70-80%(0.5M)であり、NaAc応答の大部分がアミロライド感受性Na応答成分であった。このことは鼓索神経切断後2.5-5カ月のラットはNa受容において正常ラットとほとんど同じであることを示す。3.アミロライド処理で残るNa応答はアミロライド非感受性Na応答であるが、この応答に対する2.5mM LaCl_3の効果を正常ラットで調べた。アミロライド非感受性Na応答は2.5mM Laイオンによって影響されなかった。従って、アミロライド非感受性Na応答はこれまで言われている様なタイトジャンクションの関与が疑われる結果であった。再生味蕾のできたラットでもLaイオンの効果はなかった。 本年度の実験で鼓索神経切断後2.5-5カ月の再生味蕾は正常のラットの味蕾と塩受容の違いは見られなかった。今後、鼓索神経切断後2.5カ月以内のラットで調べていくことが必要である。
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