1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671855
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北田 泰之 岡山大学, 歯学部, 助教授 (80018423)
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Keywords | ラット / 再生味蕾 / 再生鼓索神経 / 塩味応答 / アミロライド |
Research Abstract |
ラット鼓索神経を切断すると味蕾の消失後、やがて再生神経と味蕾が現れる。SD系ラットの一側の鼓索神経切断後、再生神経Na応答の変化を追った。Na応答はアミロライドで抑制されるアミロライド感受性Na応答と抑制されないアミロライド非感受性Na応答に分けられる。本年度の研究で神経切断後2カ月以内の再生神経のNa応答は0.1mMアミロライド感受性に大きな変化のあることが明らかになった。Na応答の大きさは0.5MNH4Cl応答(NH4応答)の相対値(%)で表した。1.正常鼓索神経の0.3M NaCl応答のNH4応答相対値は約100%でアミロライドが加わると約50%(アミロライド非感受性)に減少する。鼓索神経切断後28-35日の間(再生応答が現れ始めた頃)の再生神経の0.3M Na応答は64%であり、アミロライド非感受性Na応答は34%で、アミロライド感受性Na応答はまだ十分には出現していない。しかし、その後僅か1週間で0.3M Na応答は85%になり、アミロライド非感受性Na応答は31%と変わらず、アミロライド感受性Na応答が急速に大きくなることが分かった。これらの結果から、再生神経一味蕾の成熟過程でアミロライド感受性Na受容機構の出現は早い時期と遅い時期の二段階に分けられることが分かった。2.アミロライド非感受性Na応答のNH4応答相対値は再生神経一味蕾の成熟中に変わらなかった。3.味細胞のタイトジャンクションを塞ぐ2.5mM LaCl3は再生神経のアミロライド非感受性Na応答を変えないことからアミロライド非感受性Na応答にタイトジャンクションは関与しないと推察される。4.組織学的検索の結果から、味蕾は神経切断後1週間で消失するが再生神経応答の現れる頃には確実に再生していることを確認できた。5.対側の鼓索神経Na応答は正常神経の応答と変わらなかった。
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