1995 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイドの各種神経化学伝達物質遊離におよぼす影響
Project/Area Number |
06671864
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西川 殷維 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10034191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入船 正浩 広島大学, 歯学部, 講師 (10176521)
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Keywords | ミューオピオイド / ニューロトランスミッター / 遊離機構 / (Na^++K^+)-ATPase活性に対する影響 |
Research Abstract |
ラットの三叉神経上知覚核、大脳皮質体性感覚野のスライス標本およびこれらの部位のホモジネートを蔗糖密度勾配遠心法で採取したシナプトソーム画分からの、高カリウムおよびフィールドスティミュレーションにより膜を脱分極させることによる、noradrenaline(NA),serotonin(5-HT),acetylcholine(Ach)の遊離に対するモルフィンおよび他のミューオピオイドの作用について検討した。モルフィン(10^<-3>-10^<-5> M),DAGO(5×10^<-3>-5×10^<-4> M)およびモルフィセプティン(5×10^<-3>-5×10^<-4>),β-エンドルフィン(5×10^<-4> M),エンケファリン(5×10^<-4> M)の前処置により、フィールドスティミュレーションと高カリウム刺激によるNA,5-HT,Achの遊離がいずれも有意に抑制された。これらすべてのニュートロランスミッターの遊離抑制はミュー受容体遮断薬であるナロキソン(10^<-3>-5×10^<-5> M)およびβ-フナルトレキサミン(5×10^<-3>-5×10^<-4> M)の同時適用により拮抗された。カッパ受容体刺激薬であるペンタゾシン(>5×10^<-3> M)やブレマゾシン(>5×10^<-3> M)の前処置では、これら刺激による各種ニューロトランスミッターの遊離抑制作用は、ミューオピオイドに比べてはるかに弱いものであった。一方燐脂質の代謝回転については統計処理が出来るだけの測定結果は未だ得ていないが、両部位ともミューオピオイド[モルフィン(5×10^<-4> M)およびモルフィセプティン(10^<-3> M)]によりその回転を抑制し、ナロキソンやβ-フナルトレキサミンはこの抑制を阻害する傾向にあった。一方、両部位の(Na^++K^+)-ATPase活性に対するモルフィンの作用は単独では活性化がみられなかったが、予めモルフィン(10^<-3>-10^<-4> M)を作用させておくと、カルシウムおよびおよび二価鉄イオンによる抑制、並びにカルシウムと二価鉄イオンの併用による抑制が阻害され、見かけ上の活性化が観察された。
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