1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671879
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50107778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 敬 新潟大学, 医学部, 教授 (40145264)
福島 祥絋 新潟大学, 医学部, 助教授 (00018631)
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Keywords | 顎骨嚢胞 / 歯原性角化嚢胞 / 歯根嚢胞 / 細胞増殖 / 細胞増殖 / PCNA / 免疫組織化学 / テネイシン |
Research Abstract |
1)症例の収集と病理組織学的評価:新潟大学歯学部口腔病理学教室で過去25年間の病理組織検査症例から作製した顎骨に発生した嚢胞性病変のデータベースから、各嚢胞30例ずつ無作為に抽出した。 2)病理組織学的再検討:選択された全症例のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色標本を三人の病理医があらたにそれぞれ病理組織学的診断をおこない、その結果を相互照会して、不一致点をなくし、最終的に統一した診断によって再分類をおこなった。最終的に、各嚢胞性病変に特徴的でかつ免疫組織化学に最適な組織標本を20例ずつを選択した。 3)免疫組織化学的染色:フォルマリン固定パラフィン包埋ブロックから、あらたに連続5ミクロン連続切片を作製して、鍍銀染色、PAS染色、マッソン三重染色、アルシアン青、AgNOR等の特殊染色と、PAP法またはABC法を用いた細胞周期マーカー増殖細胞核抗原(PCNA)の免疫染色、さらに、細胞外基質についてはI/II/III/IV/V/VI型コラゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、テネイシンの免疫染色をおこなった。コントロールには、同一標本上のまたは他病変のために切除された正常口腔粘膜をもちいた。 4)免疫染色結果の評価:前記3)の要領で染色された組織標本について、H・E染色及び特殊染色と免疫染色で対比検討し、嚢胞被覆上皮と上皮化結合組織ならびに嚢胞壁外層にわけて、染色結果を評価した。嚢胞上皮はさらに基底層、中間層、表層の三層にわけて評価する。コントロールの口腔粘膜も上皮は基底細胞層、棘細胞層角化層の三層に、粘膜固有層、粘膜下層にわけて評価し、嚢胞の細胞増殖性を相対的に評価した。その結果、PCNA染色は細胞増殖性のマ-カとなりうること、さらに、結合組織改造性の評価にはテネイシンとIII型コラゲンの免疫染色が有効であることが判明した。また、嚢胞性病変のなかでは、歯原性角化嚢胞の被覆上皮細胞がもっとも細胞増殖活性が高く、ついで歯根嚢胞のそれが高いことを確認した。したがって、嚢胞は持続性に活動性を有する発育性の病変であるということが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Haishima K et al: "Compound odontomes associated with impacted maxillary central isors:report of two cases" Inter.J.Paediatric.Dentistry. 4. 251- (1994)
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[Publications] 鈴木 誠 他: "歯原性腫瘍の増殖活性に関する免疫組織化学的検討" 日本病理学会会誌. 83. 174- (1994)
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[Publications] 鈴木 誠 他: "歯原性腫瘍の増殖活性に関する免疫組織化学的検討:抗PCNA抗体による検討" 歯科基礎医学会誌. 36. 238- (1994)