1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の産生するトリプシン様プロテアーゼの生物学的・免疫学的特徴
Project/Area Number |
06671887
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 順子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (10170945)
大和 香奈子 徳島大学, 歯学部, 助手 (40243711)
一宮 斉子 徳島大学, 歯学部, 助手 (30223845)
林 祐行 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80243707)
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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Keywords | 歯周病原性細菌 / P.gingivalis / B.forsythus / T.deuticola / トリプシン様プロテアーゼ |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalisの3種のトリプシン様酵素(Pase-B,Pase-C,Pase-S)を抽出・分離・精製し,酵素学的,免疫学的性状を調べた. Pase-BとPase-Cは,以前に報告した方法で分離精製した.Pase-Sは,培養上清からアセトンにより抽出し,ゲル濾過により分離を行った.活性が認められた画分を濃縮し,DEAE-イオン交換及びゲルろ過を用いたHPLCにより精製を行った。 精製したPase-SはSDS-PAGEの結果より,約44kDaの単一バンドを認めた.精製したPase-Sの酵素学的性状を調べた結果,ジチオスレイトールにより活性上昇し,プロテアーゼ阻害剤のN-エチルマレイミド,ロイペプチン,アンチパイン,トシルL-リジンクロロメチルケトンにより阻害された.基質特異性については,タイプIVコラーゲンの分解を認め,タイプIコラーゲンは熱処理変性を行ったものにかぎり分解した. 以上の結果から,今回精製したPase-Sは,すでに報告しているPase-Bと酵素学的によく似た性質であることが明らかとなった.さらにPase-Sに対するマウスのポリクロナール抗体を作製し,Pase-BとPase-Sの免疫学的性状をImmunoblotting法で調べた結果,今回精製したPase-SはPase-Bと抗原として共通部分をもつことが示唆された. 引き続き,Bacteroides forsythusについては培養方法を確立しているので,本酵素の抽出,精製を行っている.またTreponema denticolaについては培養条件を検討中である.各々の酵素タンパク構造を調べるため,N-末端アミノ酸配列についても検索する予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] D.Hinode,K.Masuda,M.Yoshioka,H.Hayashi,R.Nakamura: "Purification of an extracellular soluble protease possesing BApNA hydrclytic activity from culture supernatants of Porphyromonas gingivalis" Journal of Dental Health. 44. 308-314 (1994)