1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己および同種リンパ球を用いた癌患者の養子免疫療法と予後に関する研究
Project/Area Number |
06671888
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
北古賀 修 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70264166)
黒河 博之 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70225283)
後藤 昌昭 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (10145211)
香月 武 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70038868)
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Keywords | 頭頸部癌 / 養子免疫療法 / 同種異型脾細胞 / キラー細胞 / 抗腫瘍性サイトカイン / RT-PCR法 |
Research Abstract |
頭頸部癌患者に対する、OK-432活性化リンパ球投与による局所養子免疫法(AIT)の抗腫瘍効果を免疫学的・分子論的に解明する目的で以下の研究をすすめた。まず、 1.AITの治療効果を腫瘍組織内への単核球浸潤度と組織学的変化をもとに解析した。 手術切除標本を抗UCHL-1抗体(抗T細胞抗体)で免疫染色し、T細胞浸潤度ならびに腫瘍組織の破壊様式(アポトーシスであるかネクラ-シスであるか)を検索した。その結果、AIT施行症例は非施行例よりも腫瘍内浸潤T細胞が多く存在しており、単核球浸潤が強い部分の腫瘍細胞は、アポトーシスを起こしたとみられるanti-Le^y抗体で染色される腫瘍細胞が多く存在していることを見いだした(BIOTHERAPY,1994)。 2.腫瘍組織からRT-PCR法により、各種サイトカインのmRNAを検出し、治療前後、またはAIT群と非AIT群間でサイトカイン発現に違いがあるかどうかを検索した。その結果、治療前の腫瘍組織中ではIL-1,IL-2mRANの発現は12例中10例、9例中8例とほとんどすべての腫瘍組織に認められたが、主に活性化T細胞が産生するIFNrmRNAの発現は12例中6例(50%)にしか認められなかった。一方、OK-432活性化単核球の局所投与によるAITを行った患者の治療前後での腫瘍局所でのサイトカインmRNAの発現を比較してみると、治療前には認められなかったIFNrやIL-1mRNAの発現が新たに認められた。 これらの結果は、サイトカイン産生が抑制状態にある腫瘍の微小環境が、種々のサイトカインを産生するOK-432活性化単核球の投与で正常化されたことを示唆するものであり、免疫療法の直接的効果の一つと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kubota E: "Granulomatous hepatitis as a late complication of BCG immunotherapy for a stage III malignant melanoma patient-report of a case" J Jpn Soc Cancer Ther. in press (1995)
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[Publications] Hu ZL: "Effective induction of human NK cells with OK-432 and further augmentation of their cytolytic function by rIL-2" Microbiol Immunol. 38. 183-190 (1994)
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[Publications] Katano M: "Increased proliferation of a human breast carcinoma cell line by recombinant interleukin-2" Cancer Immunol Immunother. 39. 161-166 (1994)
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[Publications] 久保田英朗: "長期間培養したOK-432活性化ヒト末梢血単核球中に見いだされるNK活性を示す細胞のPhenotype解析" BIOTHERAPY. 8. 426-427 (1994)
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[Publications] 久保田英朗: "OK-432によりヒト末梢血単核球中に誘導されるNK活性のサイトカインによる増強効果についての検討" BIOTHERAPY. 8. 692-694 (1994)
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[Publications] 今村英夫: "局所養子免疫療法を行った頭頸部扁平上皮癌患者の治療効果と腫瘍内単核球浸潤との関係" BIOTHERAPY. 8. 604-606 (1994)