1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671896
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 圭五 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30214000)
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
|
Keywords | 糖尿病 / 歯肉炎 / 歯周炎 / ラット / 白血球 / マクロファージ / 遊走能 / 貪食能 |
Research Abstract |
自然発症歯肉炎ラット(Sus)および正常ラットにストレプトゾトシン(STZ)を静脈内投与し、糖尿病を発症させた。それぞれのラットのpocket probing depth、血糖値、HbA^1c、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)および血清インスリン値を測定した。白血球機能は、ラット腹腔マクロファージおよび多形核白血球の遊走能、貪食能および殺菌能を測定し、糖尿病が歯周疾患に及ぼす影響について検討を行った。糖尿病発症歯肉炎ラット(Sus-STZ)は、他のラットに比べて白血球の機能が低下しており、また、pocket probing depthも深くなることが判明した。とくに、Sus-STZの下顎前歯部のpocket probing depthはSusと比べて有意(P<0.05)に深くなり、糖尿病の併発により歯周疾患の悪化することが明らかとなった。また、マクロファージの貪食率および貪食度に関しては、Sus-STZは他のいずれのラットと比べても、有意に低い値(P<0.05)を示した。糖尿病の併発により、マクロファージの貪食能は強く抑制されることが明らかとなった。また、SusおよびSus-STZにおいて、マクロファージの貪食率および貪食度と血糖値は負の相関性を示し、血糖値が高いほど、貪食能の低下することが明らかとなった。マクロファージの遊走能および殺菌能についても同様の結果が得られた。以上のことから、マクロファージの貪食能、遊走能、および殺菌能など白血球機能の抑制が、白血球の非特異的感染防御機構に影響を与え、糖尿病併発時において歯周疾患が増悪し、あるいは、難治性を示す要因になることが考えられる。
|
-
[Publications] K.Ohura: "Effect of streptozotocin-induced diabetes on leukocyte functions in rats with naturally occurring gingivitis" Canadian Journal of Physiology and Pharmacology. 72. 286- (1994)
-
[Publications] 大浦 清: "実験的歯周炎に関する研究" 日本薬理学会誌. 105. 317-327 (1995)