Research Abstract |
患者における各種治療操作中の診療室内の空気汚染状況をパーティクルカウンター(KC-01C:RION社製)を用いて調べた.光源の光出力や試料空気流量の安定化をはかるために電源投入後1時間暖気運転後測定した.測定時間は10分間〜30分間とし,0.01CF中に含まれる粒子をカウントした.その結果,測定時間内で最大を示した値を挙げると,超音波スケーラー10分間使用したときは0.3μmの粒子が8768個,0.5μmは1401個,1μmは341個,2μmは166個,5μ1は11個であった.タービンハンドピ-ス10分間使用時では0.3μmの粒子が45748個,0.5μmは38050個,1μmは32809個,2μmは44688個,5μ1は4134個であった.午前の診療終了後では0.3μmの粒子が28565個,0.5μmは3523個,1μmは895個,2μmは449個,5μ1は3個であった.診療終了後夕方では0.3μmの粒子が21942個,0.5μm1574個,1μmが92個,2μmが36個,5μ1が2個であった.以上の結果から,超音波スケーラー使用時は治療操作のない時に比べて2粒子数はあまり増加しなかったが,タービン使用時は,すべての粒子群でカウントが増加した.すなわち,0,3μmの粒子は2倍から5倍,0.5μm粒子では11倍〜27倍,1μmでは37倍から357倍,2μmでは100倍〜1241倍,5μ1では376倍〜2067倍であった.また,タービン使用時の清浄度を評価すると,たとえば空気1cf中に含まれる0.5μm以上の粒子数に応じて分類される米国連邦規格・Fed'Std-209Dにおいては1000万クラスであり,またJISB9920の清浄度クラスの分類では空気単位の呼称が個/m^3と異なるが,クラス8にランクされることがわかった.次年度は口腔内および口腔外バキュームを作動させた時,どのように清浄度が改善されるか,吸引能力,排気中に残存する微細粉塵,騒音発生,消費電力などをより詳細に総合的な性能を判定するための測定項目,測定方法を確立し,設置方法および管理維持方法などの基準を定める予定である.
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