1994 Fiscal Year Annual Research Report
レジンセメントにおける練和時の気泡混入量と摩耗性との関係
Project/Area Number |
06671913
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥井 康弘 岡山大学, 歯学部, 助教授 (10188831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇治郷 好彦 岡山大学, 歯学部, 助手 (50243465)
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Keywords | レジンセメント / 気泡混入量 / 画像解析 / 摩耗量 |
Research Abstract |
我々は、コンポジットレジンインレーなどの臼歯部審美性インレー修復の臨床経過を観察し、インレー辺緑のレジンセメントの摩耗が問題であることを明らかにした。レジンセメントの摩耗には、フィラー含有量、モノマー成分が影響するが、さらに、練和時に微小な気泡を混入する可能性が非常に高く、この気泡の存在が摩耗に大きく関わっている可能性がある。そこで本年度は、5種の市販セメント(クラレ社製CRインレーセメント、クラパールDCセメント、パナビア21、トクソ-社製ビスタイトレジンセメント、松風社製インパーバデュアル)を用いて以下の研究を実施した。まず、レジンセメントの硬化体割断面をSEMで観察し、画像解析装置で気泡混入量を規定面積中の百分率として測定したところ、粉液タイプ(CRインレーセメントで4.89%、インパーバデュアルで2.71%)は、ペースト/ペーストタイプ(クラパールDCで0.51%、パナビア21で0.26%、ビスタイトレジンセメントで0.02%)に比べ、約10倍気泡混入量が多かった。また、粉液タイプは断面直径50μm以上の気泡が多数混入していたが、ペースト/ペーストタイプでは10μm以下のものがほとんどで、前者では練和時に気泡混入が生じ、後者では練和時に気泡は混入しにくいが、製品作製時にすでに小さな気泡が混入されている可能性があることがわかった。次いで、in vitro 回転摩耗試験において、レジンセメントの摩耗量を体積減少量として測定したところ、ビスタイトレジンセメント、クラパールDCセメント、インパーバデュアル、パナビア21,CRインレーセメントの順に摩耗量は増大した。おおむね粉液タイプは、ペースト/ペーストタイプよりも摩耗量が大きい傾向にあったが、製品によってモノマー、フィラー粒径や形態が異なり、気泡混入量との関係は明瞭にはできなかった。
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