1995 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法を応用した歯周病原性細菌の特異的高感度検出法の確立と定量化の試み
Project/Area Number |
06671918
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱地 貴文 九州大学, 歯学部, 助手 (80198811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 雅裕 九州大学, 歯学部, 助手 (10253460)
廣藤 卓雄 九州大学, 歯学部, 講師 (10189897)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
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Keywords | 歯周病原性細菌 / A. actinomycetemcomitans / P. gingivalis / PCR / 細菌検査 |
Research Abstract |
今年度は、歯周病原性細菌として注目されているA. actinomycetemcomitansとP. gingivalisを、歯肉縁下プラーク中より特異的に検出し、定量化の可能なcolorimetircPCR法の確立を目的とした。前年度の研究により、A. actinomycetemcomitansとP. gingivalisをそれぞれを特異的に検出できるPCRプライマーが確立できたので、定量化のために、PCRプライマーの5'末端を、ビオチンとジゴキシゲニンでそれぞれ標識した。標識プライマーを用いたPCR反応を行い、その増幅産物をアビジンをあらかじめコーティングしたマイクロタイタ-プレートに一定量添加した。ビオチンとアビジンとの結合により、標識された増幅産物がマイクロタイタ-プレートに固着するので、アルカリホスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体を添加し、さらにアルカリホスファターゼの基質を添加することにより、発色が生じる検出系を確立した。A. actinomycetemcomitansとP. gingivalisの分離株を試料としてcolorimetric PCRを行なうと、両細菌とも、標識PCR産物の吸光度値は、50個から10^5個の間で、指数的に比例関係であった。これは、吸光度値から細菌数の定量化が可能であることを示した。そこで、歯肉縁下プラークを試料としたcolorimetric PCRを行ったところ、プラーク中のA. actinomycetemcomitansとP. gingivalisの検出と定量が同時に可能であった。歯周治療前後の歯肉縁下プラーク中のA. actinomycetemcomitansとP. gingivalisの量的変動の解析が可能であり、治療効果の判定、再発の監視、静止期から憎悪期への移行の予測などを行う際に有効な検査法となりうることが示唆された。また、マイクロタイタ-プレートを使用する検査法であるため、多試料の解析が可能であり、歯周炎の細菌検査法として充分臨床に応用できると考えられる。
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Research Products
(1 results)