1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患活動度の指標になり得る歯肉溝滲出液中のindicatorの検索
Project/Area Number |
06671927
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 誠 昭和大学, 歯学部, 講師 (80186767)
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Keywords | 歯肉溝滲出液 / 病変活動度 / インターロイキン-1β / プロスタダランジンE_2 / コラゲナーゼ活性 |
Research Abstract |
今回我々は、歯肉の腫脹を伴う急性炎症期が歯周病の活動期に当たるか?またその際、disease activityの指標となり得る歯肉溝滲出液(GCF)中のindicatorは何か?を知ることを目的とした研究の第一段階として以下の研究を行った。 ・慢性炎症期の歯周ポケットから採取したGCF中の各種因子量の経時的変動 歯周病を主訴として来院した8人の重度歯周炎患者において、来院前に数回にわたり急性症状の既往があり、6mm以上の臨床的ポケット深さを示す歯周ポケットを10か所選択した。これらの歯周ポケットにおいて1週間隔で8回、またこのうち2か所の歯周ポケットにおいては、24時間毎に5回GCFを採取し、またペリオトロン【.encircledR.】によるGCF量の測定をおこなった。その後、GCF中のPGE_2量、IL-1β量およびコラゲナーゼ活性を測定し、これらの経時的変化を検討した。 (結果) (1)各歯周ポケットにおけるGCF量と同部位における患者の自覚症状との間には正の相関関係が認められた。 (2)各歯周ポケットにおけるGCF量および採取したGCF中の各因子の量はいずれも、比較的短期間において変動し、また、その変動量も予想より大きかった(各因子の測定の再現性を確認したところ、測定誤差のレンジよりも、これらの変動量が大きいことにより判明)。さらに各因子の量の経時的変化を比較すると、IL-1βは、PGE_2やコラゲナーゼ活性よりもその変動量が大きい傾向を示した。 これらの結果は、各歯周ポケットごとのGCF量の測定およびGCFの採取を、より短期間のインターバルで行い、慢性炎症期における各因子の量の変動幅を充分に把握した上で、今後の実験を行う必要があることを示唆している。
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