1994 Fiscal Year Annual Research Report
光硬化型グラスアイオノマーセメントの研磨要件に歯ブラシ磨耗がおよぼす影響
Project/Area Number |
06671928
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青島 裕 日本大学, 歯学部, 助手 (10222481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野瀬 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (70059426)
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Keywords | 光硬化型グラスアイオノマーセメント / 歯ブラシ磨耗 / 研磨 / 修復 |
Research Abstract |
充填用光硬化型グラスアイオノマーセメントは従来型グラスアイオノマーセメントに比較して感水性や表面物性が優れている。そこで、申請者らは本セメントの研磨の要件について検討することを目的として、その研磨深さについて歯ブラシ磨耗をパラメーターとして検討した。材料は、市販の光硬化型グラスアイオノマーセメントであり、その照射面および削除面の磨耗試験を行った。すなわち、白色テフロン型に練和したセメント泥を填入し、加圧整形し、直ちに、照射光線を470±40nmの波長域で、600w/m^2の光強度に規定した可視光線照射器OPTILUX400(Demetron)を用いて、硬化させた。その後、試片は照射後1時間、温度23±1℃、相対湿度50±5%の恒温恒湿室で遮光条件下に保管し、未削除、0.5mm削除および1.0mm削除の3条件に試片を調整した。これらの試片を37℃24時間恒温恒湿槽内に保管した。保管期間終了後、重量を測定し、これを磨耗前試片重量とした。磨耗試験はブラシ磨耗試験器(GC)を用いて、ブラシ磨耗を行った。試験終了後、超音波洗浄器で20分間2回試片を洗浄した。そして、37℃24時間同様に保管後、試片の重量を測定し、磨耗試片重量とした。磨耗前試片重量から磨耗試片重量を引いたものを百分率で換算し、それを各条件の磨耗量とした。その結果、0.5mm削除が最も磨耗量が少なく、未削除および1.0mm削除は磨耗量が多かった。これは、光硬化型グラスアイオノマーセメントの照射面および深部の重合率が光重合型レジンと同様の傾向を示すことがすでに判明しており、磨耗量もこの重合率と相関して、0.5mm削除例に最も少なかったものと考えられた。。 本研究の結果から、光硬化型グラスアイオノマーセメントの研磨深さとしては、歯ブラシ磨耗の観点から照射面から0.5mmまでの削除が必要であることが判明した。
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