1994 Fiscal Year Annual Research Report
銅(II)イオンとH_2O_2から発生する活性酸素の発生機序と消去について
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06671929
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
辻本 恭久 日本大学, 松戸歯学部・保存学III, 専任講師 (80163806)
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Keywords | 活性酸素 / ヒドロキシラジカル / ESRスピントラッピング法 |
Research Abstract |
生体における炎症、老化、発癌、各種疾患において活性酸素は重要な関わりを持っており、そのなかでもヒドロキシラジカル(・OH)は最も強力に生体にアタックすると言われている。・OH発生メカニズムについては、生体内のFe^<2+>とH_2O_2との反応から発生するという説が一般化されている。我々は、Cu^<2+>-H_2O_2が・OHを発生して生体に悪影響を及ぼすという仮説を持っており、それを証明する第一段階として、Cu^<2+>-H_2O_2反応系でヒト赤血球膜ウサギ歯髄細胞ミクロソームにおける脂質過酸化が起こることを報告してきた。 今年度、我々はelectron spin resonance(ESR)スピントラッピング法を用いて、Cu^<2+>-H_2O_2、あるいは、Cu^<2+>-H_2Oの反応系における・OHの発生、ならびに消去について検索を行い下記の結果を得た。 1.Cu^<2+>-H_2O,H_2O_2発生を確認した。・OHの発生量は、Cu^<2+>-H_2O_2系ではCu^<2+>-H_2O、H_2O_2に較べ多量であった。 2.Cu^<2+>-H_2Oにアンモニアを添加し、アミン錯体にし、・OH発生を確認したところ、アンモニアの濃度依存的に・OH発生量は減少し、最終的に・OH発生は認められなくなった。すなわち、Cu^<2+>とH_2Oのみで、・OHの発生することが確認された。 3.・OH消去剤をCu^<2+>-H_2O、Cu^<2+>-H_2O_2の系に添加したところ、・OH発生量は消去剤の濃度依存的に減少した。 4.Cu^<2+>-H_2O、Cu^<2+>-H_2O_2、H_2O_2から発生する・OHの量と細菌の殺菌効果に対する検討をしたところ、・OHの発生量に従って殺菌効果が影響をうけることを確認した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 橋爪英城,木村功,富田敬,松島潔,辻本泰久,山崎宗与: "ヒドロキシラジカルによるStreptococcus属菌の殺菌効果について" 日本歯科保存学雑誌. 37. 1254-1260 (1994)