1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671951
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 歯学部・付属病院, 講師 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆志 岡山大学, 歯学部, 教授 (80034172)
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Keywords | 顎関節内障 / CT / TMJ / 前頭断 / 顎関節腔 |
Research Abstract |
顎関節内障の発症の予測および予後の予測を行うための基礎的情報を得ることを目的として,咬頭嵌合位および犬歯切端咬合位における顎関節前頭断連続X線CT像の三次元構築を行い,これら2顎位における顎関節腔の比較解析を行った. 被験者は,臨床的に顎関節に異常を認めない正常者群25名とした.断層面は作業側の下顎犬歯尖頭と両側の顆頭点の3点を含む平面に対して垂直かつ,両側の顆頭点を含む面に平行となるよう設定した.撮像顎位は,上記の2顎位とし,これらの顎位におけるCT像を下顎頭を基準にして重ね合わせ,下顎頭最外側端を開始点として内側に向けて2mm間隔で,それぞれの顎位における顎関節空隙の垂直距離を計測した.中心咬合位における関節空隙の垂直距離に対して,平衡側の関節空隙の垂直距離が示す比率を算出して解析を行った. その結果,関節空隙変化率の分布パターンは,以下の4つのタイプに大別された.すなわち,関節空隙変化率が下顎頭の前内方では小さく,後外方に向けて次第に大きな値を示すもの(Type I),下顎頭上方面観の前後的中央部において小さな値を示すもの(Type II),下顎頭上方面観の後方部において小さな値を示すもの(Type III)およびこれらの3タイプのいずれにも属さないもの(Type IV)である.これらの各タイプの占める比率は,Type Iが68%,Type IIが20%,Type IIIが4%,Type IVが8%であった.これらの結果と,顎関節内障の発症機序に関する我々の過去の研究から総合的に考察すれば,Type Iを示す顎関節が機能的に最も安定しており,筋症状を示す患者においても顎関節内障に移行する可能性が少ないことが示唆された.
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