1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671959
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺田 善博 九州大学, 歯学部, 教授 (30038898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 敬一 北海道大学, 理学部, 助教授 (10136492)
石橋 邦子 九州大学, 歯学部, 助手 (50243952)
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Keywords | 固体表面 / 吸着 / 2次元NMR / H-D交換 / ハイドロキシアパタイト / リゾチーム |
Research Abstract |
前年度得られた、ニワトリリゾチームはLys-1,Lys-13,Arg-14,Arg-128のアミノ基を利用してハイドロキシアパタイトのリン酸基と結合している、という結果を裏付けるために今年度はリゾチームの吸着残基と考えているLys-13のアミノ基をLue-129のカルボキシル基とクロスリンクさせ、電気的な状態を改変させた試料でハイドロキシアパタイトとの吸着状態を調べた結果、改変前と比較して吸着基数、吸着親和力には変化がなかった。これは吸着部位で正電荷のアミノ基をつぶすと同時に負電荷のカルボキシル基をつぶすこととなり、変化が出なかったと考えられる。次にリゾチームの吸着させた状態でのアセチル化と吸着させない状態でのアセチル化を比較すると、明らかにLys-1で吸着させた状態でのアセチル化が吸着させないでアセチル化した試料よりアセチル化率が低かった。この結果より吸着することでリゾチームの少なくともLys-1はプロテクトされていることが解った。つまりハイドロキシアパタイトとの吸着面に接しているといえる。次に吸着剤をハイドロキシアパタイトから塩基性蛋白の分離精製に広く用いられているイオン交換樹脂であるCM-トヨパールに変え同様な実験を行った。その結果、ハイドロキシアパタイトと比較して吸着基数は変化なかったが、吸着親和力はその約5倍あった。2次元NMRの結果ではH-D交換に差が出た部位がリゾチーム分子表面全体に存在し、吸着部位は特定できなかった。実験結果を総合するとハイドロキシアパタイトとリゾチームは特異的な部位でその正電荷を利用して吸着している。またこのH-D交換と2次元NMRを用いる方法で固体表面に吸着した蛋白質の吸着状態を解明することが可能であることが解った。
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