1994 Fiscal Year Annual Research Report
不溶性抗菌剤を添加した抗プラーク性焼付陶材およびレジンの研究
Project/Area Number |
06671961
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 卓男 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40113584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 英雄 長崎大学, 歯学部, 講師 (40199857)
熱田 充 長崎大学, 歯学部, 教授 (60002135)
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Keywords | 銀系抗菌剤 / ゼオライト / 抗プラーク / 床用レジン / 硬質レジン / 歯科用陶材 |
Research Abstract |
銀ゼオライト系抗菌剤の配合率を1wt%ごとに変化させた5種類の床用レジンを試作した.この試作レジンを用いて作製した直径3mmの円盤状の試験片を,ボランティア患者の口腔内に24時間装着してから,プラークの付着状況を肉眼および走査型電子顕微鏡を用いて観察した.その結果,5wt%以上含有させた場合にプラークの蓄積を阻止する効果が認められたが,レジン表面の銀イオンが硫化して生じると思われる黒変が生じたことから,2〜3%前後の濃度でプラーク蓄積阻止に有効な使用方法を考案することが必要となった.このため低濃度における使用を前提とした試験方法を開発して,ボランティア口腔内に装着された義歯において48時間の短期および6ヶ月前後の長期の検討を続けている. また歯冠用硬貨レジンに添加した場合には,銀イオンによる黒変や粗造化の影響が少ないことから,10%以上添加しても臨床応用上問題がないことが明らかとなった.このため床用レジンよりも抗菌効果を発揮させるのに有利であることから,床用レジンでは問題があった口腔内直接評価法での検討を行い,10wt%濃度で良好な結果が得られている.この抗菌硬貨レジンを使用して前装冠を作製する方法について検討を進めている. 銀ゼオライト系抗菌剤を添加した焼付け用陶材を焼成して試験片を作製したところ,2wt%以上の添加では黄色の着色および粗造化を生じて臨床応用が難しいことから,1wt%以下の濃度で使用しなくてはならないことが明らかとなった.
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