1995 Fiscal Year Annual Research Report
イオン工学的方法による歯科用合金の表層改質に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06671962
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久恒 邦博 長崎大学, 歯学部, 助教授 (20037526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 恒明 長崎県工業技術センター, 研究員
安田 克廣 長崎大学, 歯学部, 教授 (50013884)
有働 公一 長崎大学, 歯学部, 助手 (60145266)
田中 康弘 長崎大学, 歯学部, 助手 (10217086)
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Keywords | 歯科用合金 / 表層改質 / イオン注入 / イオンプレーティング / イオンミキシング |
Research Abstract |
本研究はイオン工学的方法による表層改質を歯科用合金に応用する上での基礎的データを得るために行われたものである。イオン注入、イオンプレーティングおよびイオンミキシングによる表層改質を試みた。イオン注入により、耐食性は大幅に向上し、その効果は低出力側で顕著であった。注入後の熱処理により、規則格子を形成し、さらなる効果が期待できる。しかし注入表面の粗さが問題視された。イオンプレーティングにより、比較的厚く均質なコーティング層が形成され、耐食性及び強さの改善が顕著であった。しかし、歯科応用を考慮した場合、立体的補綴物表面に均一な改質層を得ることがむずかしいと思われる。イオン注入とイオンプレーティングを併用した方法であるイオンミキシング法は緻密な改質層が得られ、耐食性と機械的強さの改善に加えて、ベース合金との結合が強固になり、被着強さが改善された。更に改質層の厚みをコントロールできることがこの方法の大きなメリットであった。本研究を通してイオンミキシング法による表面改質が最も有効であることが明らかになった。その後の熱処理法等を確立することにより、さらに効果的な改質層を得ることが期待できる。研究遂行中にその生成が期待できたCuAuIの規則化挙動をも検討した。溶体化焼入れ試料は三段階(ステージI、II、III)で規則化が進行し、その速度は非常に速かった。室温においてはステージIに相当する規則化しか起こらないが、十分に大きな硬化を生じた。ステージIの反応は凍結過剰空孔の移動・消滅に伴なう規則化であることが明らかになった。このことはイオンミキシング後の室温での相変態として期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hisatsune: "Three stages of ordering in CuAu" Intermetallics. 3. 335-339 (1995)
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[Publications] K.Hisatsune: "Abnormal behavior in adiabatic calorimetry of set dental stone" Dental Materials Journal. 14. 84-87 (1995)
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[Publications] K.Hisatsune: "Quantitative analysis of unreacted hemihydrate in set dental stone by adiavatic calorimetry" Journal of Materials Science : Materials in Medicine. 6. 284-287 (1995)
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[Publications] 渋谷昌史: "急速加熱型石膏系埋没材の膨張量に及ぼす加熱開始時期および加熱速度の影響" 歯科材料・器械. 14. 193-197 (1995)
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[Publications] Y.Tanaka: "Spinodal ordering in the equiatomic AuCu alloy" Philosophical Magazine A. 69. 925-938 (1994)
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[Publications] A.M.El Araby: "Coherent phase diagram of the AuCu-Pt section" Journal of Alloys and Compounds. 206. 217-224 (1994)