1994 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトを含有したキトサン膜の強さと細胞毒性におよぼすキトサン量について
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06671976
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 充雄 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所・生体材料部門, 教授 (70064681)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / キトサン / 生体材料 |
Research Abstract |
骨補填材は生体内では吸収され,早期に骨と置換することが必要である.したがって生体内に埋植した骨補填材は時間とともに強さが減少することが必要である。 これは血管や細胞が骨補填材中に侵入しやすくするためである.骨補填材の強さの減少はサトキン量によって左右されることが考えられる.そこで,キトサン0.4,0.5,0.6gをリンゴ酸とマロン酸で各々に溶解し,ハイドロキシアパタイトを各々に0.4g練り込み、一定の肉厚にしてポリリン酸ナトリウムで中和を行い,キトサンフィルムを作製した.このキトサンフィルムの特性について検討した結果,以下の結論が得られた. (1)リンゴ酸で溶解したキトサンゾルの中和時の収縮量が大きかった. (2)乾燥時の収縮量はマロン酸で溶解したキトサンゾルを用いたフィルムが大きかった. (3)キトサン量が多いと中和時の収縮量が大きかった.しかし,乾燥時には差が認められなかった. (4)キトサン量が多いと硬さは大きかった. (5)引張強さはキトサン量が多いと大きかった. (6)キトサンフィルムは37℃の生理食塩水中に2週間浸漬すると引張強さは小さくなった.また,キトサン量が少ないほど強さの減少率は大きかった。 (7)細胞実験の結果,キトサンフィルムの毒性は確認出来なかった。 以上の結果は,1995年4月15日の日本歯科理工学会に報告する予定であり,御援助を賜り,誠に有難うございました.
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Research Products
(1 results)