1994 Fiscal Year Annual Research Report
トータルセルフエッチングプライマーによる接着システムの構築
Project/Area Number |
06671983
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
井上 勇介 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (20105688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
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Keywords | 接着 / プライマー / エナメル質 / 象牙質 |
Research Abstract |
2-hydroxyethyl acrylateに4種の酸無水物をを付加させ、カルボキシル基を有する4種のアクリレートモノマー即ち、2-acryloyloxyethyl hydrogen maleate(2AE)、2-acryloyloxyethyl hydrogen citraconate(2AEC)、2-acryloyloxyethyl hydrogen succinate(2AES)、2-acryloyloxyethyl hydrogen phtarate(2AEP)を合成した。4種のモノマーは無色透明の液体で、2AEM、2AECは水に溶解したが、2AES、2AEPの溶解度は小さかった。従って、セルフエッチングプライマー中のアクリレートモノマーの濃度は数多くは設定できす、モノマーによって最小5wt%から最大70wt%に設定することとした。調製したセルフエッチングプライマーはいずれも処理効果を示し、光重合型コンポジットレジンのエナメル質、象牙質への接着強さを増加させた。中でも処理効果が高かったのは2AEM、2AEC含有セルフエッチングプライマーで処理効果の高低は両モノマーとも濃度によって異なっていた。即ち、エナメル質においては両モノマーとも濃度が5wt%から70wt%で高い処理効果が認められ、約20MPaの接着強さを示したのに対し、象牙質においては2AEMでは30、50wt%の濃度で有意に処理効果が大きくなり約20MPaの接着強さを示したが、2AECでは30wt%〜70wt%で有為に処理効果が大きくなり接着強さも約22MPa以上を示し、モノマー間で若干異なる傾向を示した。したがって、一括して歯質を処理するトータルセルフエッチングプライマーを調製する場合はモノマーの濃度を十分考慮し調製しなければならないことが判明した。
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