1995 Fiscal Year Annual Research Report
トータルセルフエッチングプライマーによる接着システムの構築
Project/Area Number |
06671983
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Research Institution | FUKUOKA DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
井上 勇介 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (20105688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
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Keywords | 接着 / プライマー / エナメル質 / 象牙質 |
Research Abstract |
平成6年度に合成したモノマーの内、2-acryloyloxyethyl hydrogen maleate (2AEM)、2-acryloyloxyethyl hydrogen citraconate (2AEC)がセルフエッチングプライマーの主成分として高い処理効果を示したので、本年度は、処理効果を高めるため更に2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA)、n-methylolmethacrylamide (MEMA)、n-methylolacrylamide (MEAA)を添加し、これに水を加えたセルフエッチングプライマーを試作して検討を行った。試作セルフエッチングプライマーは何れも処理効果を示したが、3成分系にすることにより、セルフエッチングプライマーは象牙質への接着強さを向上させるものの、エナメル質への接着強さは向上させず、添加したモノマーは象牙質の接着性の向上にのみ貢献することが明らかになった。また、いずれの組成のセルフエッチングプライマーも処理後に水洗すると接着強さは有意に低下する事が明らかとなった。添加したモノマーの内MEAAは象牙質への接着強さを大きく向上させたが、モノマーの濃度配分によりその処理効果は異なっており、高い接着強さを示した接着試料の接着界面には樹脂含浸象牙質層が観察された。ボンディング材は、主にScotchBond Mutipurpose(MP)を用い、他のボンディング材と比較するために更にLiner Bond II(LB)、MAC-Bond(MB)、FB Bond(FB)を用いたが、試作セルフエッチングプライマーは何れを使用しても処理効果を示すもののLB、MPでは処理効果は高く、MB、FBでは高い処理効果は認められなかった。これは、ボンディング材の希釈剤に当たるHEMA、TEGDMAの性質によるものと推察されるが、詳細は明らかではない。
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