1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞におけるプロスタグランジンの増殖刺激作用に関与する細胞内シグナル伝達系-特にリン脂質代謝およびチロシンリン酸化酵素を介した伝達系について-
Project/Area Number |
06672000
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中島 茂 岐阜大学, 医学部, 講師 (60188935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 伸光 岐阜大学, 医学部, 教授 (80019893)
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Keywords | 骨芽細胞 / プロスタグランシン / ホスホリパーゼC / ホスホリパーゼD / プロテインキナーゼC / チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
骨芽細胞様MC3T3-E1細胞の分化誘導に伴う刺激応答機構の変化について検討を加えた。β-グリセロ2リン酸ナトリウム(β-glycerophosphate)とアスコルビン酸(ascorbic acid)で分化誘導を行うと、培養5日目まで急激なアルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase)の活性上昇がみられた。一方[^3H]チミジン取り込みを指標としたDNA合成能は低下し、分化誘導が認められた。分化誘導にサイクリックAMP(cAMP)の上昇が関与しているとの報告もみられるが、本研究ではcAMPレベルの上昇は認められず、我々の用いた分化誘導法ではcAMPの関与は少ないと考えられた。分化誘導した細胞ではプロスタグランジンF_<2α>(PGF_α)刺激に対するイノシトールリン脂質特異性ホスホリパーゼC(PI-PLC)およびホスホリパーゼD(PLD)活性化は、コントロール群に比べて低下していた。そこで、刺激応答の変化をシグナル分子のレベルでさらに詳細に検討したところ、分化誘導細胞ではPI-PLCβ1およびβ3アイソザイムの発現量に著明な低下がみられた。一方、プロテインキナーゼCアイソザイム、チロシンキナーゼ系、MAPキナーゼには著しい変化は認められなかった。PGF_<2α>は未分化な骨芽細胞では増殖促進作用を示し、分化の進んだ細胞ではその機能を抑制することが報告されている。したがって、本研究で得られた結果は骨芽細胞様MC3T3-E1細胞の分化過程において、PI-PLCおよびPLD活性化の低下が分化誘導の初期過程に深く関与していることを示唆している。
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