1994 Fiscal Year Annual Research Report
局所麻酔・抜歯が心機能に及ぼす影響:処置後24時間の心拍・血圧・ECGの測定
Project/Area Number |
06672005
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
吉村 安郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (50093480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 隆浩 島根医科大学, 医学部, 助手 (70201788)
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Keywords | 局所麻酔 / 抜歯 / 心機能 / 心拍数・血圧・ECG所見 |
Research Abstract |
従来施行してきた研究は、局所麻酔、抜歯といった小外科処置が心・循環系にいかなる影響を与えるかに関するもので、心拍数、血圧、心電図所見の3項目について、術前・術中・術後20分という短時間であったが、本研究では上記項目について、処置後24時間まで循環動態を追求することができた。被験者は14名であった。即ち、コントロールとして、心疾患もなく、かつ口腔外科的処置をも受けず、単にホルター心電計と血圧計のみをつけた1例、心疾患を有しない患者8名で、処置の内容は抜歯を主体とした処置6名、下唇血管腫に対するクライオサージェリーを施行した1例、嚢胞摘出術を施行した1例であった。心疾患を有する症例は全症例で5例で、人工弁を装着した症例3例、高血圧症1例、高血圧と狭心症を合併した1例について、心電図、心拍、血圧の変動について検討したが、(1) 処置内容にばらつきがあった点(抜歯、嚢胞摘出、クライオサージェリー、移植骨除去術)、(2) 処置時間にもばらつきが強すぎた点(10分〜114分)、(3) 静脈鎮静剤の使用の有無など、症例が少ないにもかかわらず、多くのファクターが加わったため、明確な解析はできなかった。 本研究の優れた点は、自覚症状のない患者や、心電図異常発現の条件が明らかでない虚血性心疾患や一過性の不整脈を一日のサイクルにおいて把握した、即ち日常の心機能の一つを知ることができた点である。しかし被検者は、歯科治療を受けたストレスも加わっているので、真の意味での処置侵襲度ストレスが処置後どれだけ心血管系に影響するのか判定は困難であった。今後は症例数を増やし、特にホルターの心電図観察を行い、他の検査法では、検出の困難な心電図異常の発見や、小口腔外科処置が、1日サイクルで検討すれば、どのようなストレスになっているかを正常人、心疾患患者と比較検討を続けたい。
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