1995 Fiscal Year Annual Research Report
下顎運動および下顎位の変化ならびに咀嚼運動に伴う顎関節腔内圧の変動に関する研究
Project/Area Number |
06672034
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Research Institution | OSAKA DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30131379)
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Keywords | 顎関節 / 関節内圧 / 下顎運動 / 下顎位 / 咀嚼 |
Research Abstract |
最近,私たちは,サルおよび新鮮ヒト遺体の内頭蓋底に三軸ストレインゲージを貼付し,下顎運動の経路および下顎位が変わる際の,顎関節下顎窩上壁の骨の力学的挙動について報告し,下顎運動の経路および下顎位が変わるにつれて,同部の骨は複雑に変形し,力学的に対応している事が判明した.しかし,下顎運動に伴う関節円板の緩衝圧すなわち顎関節腔内圧の変動については,Wick-catheter法によるブタの顎関節滑液圧を測定したRothらおよびWardらの報告があるのみである.そこで,本研究では,ヒトを研究対象に,下顎運動および下顎位の変化にならびに咀嚼運動に伴う顎関節腔内圧の変動をNeedle法で測定し,咬合ならびに咀嚼時の顎関節における緩衝のメカニズムの解明を目的に研究を行った.平成6年度には下顎運動および下顎位の変化に伴うヒト顎関節腔内圧の変動について検索し,顎運動に伴って,顎関節がポンプ機能を有していることが明らかとなり,滑液を介しての血管系と顎関節構成体との物質交換に重要な役割を演じていることを明らかにした.また,円板前方転位を伴う顎関節症では咬頭嵌合位および最後退位で顎関節腔内圧の上昇がみられることから,治療に際してはこの所見を考慮した治療法の選択の必要性を示唆した.本年度は硬さおよび粘度の異なる各種食品を咀嚼した際の顎関節腔内圧の変動について解析した.米飯やオカキを咀嚼するときは陽圧と陰圧が交互にみられるリズミカルな変動パターンを示すのに対して,カマボコのような軟性弾力性食品を咀嚼するときは顎関節腔内圧が高原状に上昇したまま小さな振動を繰り返す変動パターンを示した.
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Research Products
(2 results)