1994 Fiscal Year Annual Research Report
成長期の叢生による咬合干渉除去後の咀嚼運動、咬合、顎顔面形態の変化に関する研究
Project/Area Number |
06672044
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 一尋 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40182521)
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Keywords | オクル-ザ / 咬合力 / 顎関節症 |
Research Abstract |
オクル-ザを用いて,顎関節症患者と正常者の咬合力と顎顔面形態を比較した。その結果以下のことが明らかになった。 1.咬合力、咬合接触面積は有意に顎関節症患者で小さく,平均圧力は顎関節症患者に有意に大きい結果を示した。 2.咬合力と咬合接触面積,平均圧力は,顎関節症患者と正常者ともに咬合力と咬合面積の間で高い正の相関を示し,咬合力と平均圧力は府の相関を示した。これは咬合力が強い人ほど咬合接触面積が多くなるのに対し,単位面積当たりの平均圧力は咬合接触面積が増加するに伴って減少しているものと考えられた。 3.正常者では,咬合力の大きい被験者は下顎骨の顎角部が発達し,上下顎前歯が唇側傾斜したいわゆるShrot faceタイプの特徴,逆に咬合力の小さい被験者はlong faceの傾向を示した。顎関節症患者では,咬合力とMandibular plane angle,Gonial angleは正常者と同様に負の相関を示したが,歯に対する計測項目では相関は認めなかった。 4.正面X線規格写真では,顎関節症患者で下顎骨の偏位が大きい傾向がみられた。 5.正常者では,上顎骨平面が上方へ傾斜する側で咬合力が強く,上顎骨歯槽骨の傾斜が咬合力の左右差の要因になっていることが示唆された。一方,顎関節症患者では正面X線規格写真の計測項目についても相関がみとめられないことから,下顎骨が偏位する形態学的特徴を示しながら,咬合力と形態に相関が無いことが示唆された。 以上より,顎関節症患者は正常者に比べ咬合力,咬合接触面積が少なく,平均圧力が高いことが示された。また,正常者では咬合力と顎顔面形態が高い相関を示したが,顎関節症患者群では咬合力と顎間面形態の不調和がみられた。
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