1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯牙腫の発生・発育過程に伴う間質誘導の解明-萌出遅延歯周囲組織の間質変化-
Project/Area Number |
06672045
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河野 美砂子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60153491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
野田 忠 新潟大学, 歯学部, 教授 (00013970)
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Keywords | 歯牙腫 / 細胞外基質 / 間質誘導 / 萌出遅延歯周囲組織 |
Research Abstract |
当初の研究計画である、1.ヒト歯牙腫症例の病理組織学的検討、2.ヒト歯牙腫症例の免疫組織化学的検索、について予定どおり研究を遂行し、以下のような結果を得た。最初に、過去16年間の歯牙腫症例(約90例)の切片をすべて検鏡し、病理組織学的に発育状態にしたがって分類した。その中より約30例を抽出し、ヘマトキシリン・エオジン染色、および各種細胞外基質分子について免疫染色し、観察した。その結果、新たに得られた知見として、(1)歯髄様組織において各種細胞外基質分子が様々な局在様式を示したことより、歯牙腫では種々の発育段階のものが混在していることが確認できた。(2)歯髄内の硝子化基質部に特定の細胞外基質分子の集積を認め、石灰化との関係が推察された。(3)歯牙腫周囲および歯様硬組織周囲の線維性結合組織は、歯根膜組織に分化する歯症嚢に相当すると考えられた。(4)エナメル髄様組織内に血管をいれた間質の陥入があり、同部には上皮性、および間葉性の基質の形成がみられ、正常歯胚のエナメル髄とは異なった構造を示した。以上より、歯牙腫の構成要素には、それぞれが対応する正常構成要素と比較して、様々な発育分化の乱れがあることが確認できた。この研究結果を、第36回歯科基礎医学会にて発表し、さらに現在、雑誌への投稿準備中である。また、今年度得られた結果により、来年度研究予定である、動物モデルでの歯牙腫発育過程における細胞外基質分子の経時的変化の観察に、非常に有用な基礎データが得られた。さらに今年度は、次の計画である動物モデルの予備実験にも着手している。
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Research Products
(1 results)