1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織の加齢変化が歯の移動に及ぼす影響についての実験的研究
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06672055
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
京面 伺吾 広島大学, 歯学部, 助手 (40270780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹根 一夫 広島大学, 歯学部, 教授 (30159032)
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Keywords | 加齢 / 歯の移動 / 歯周靱帯 / ブロモデオキシウリジン / 免疫組織化学的染色 |
Research Abstract |
上顎両側第一臼歯を10,40gの2段階の力で,1,3,7,14日間移動を行った結果,次のような結果が明らかとなった。 1.歯の移動量 成長期ラットと成熟期ラットでは,歯の移動の初期段階から移動量に差が生じること,成熟期ラットではlag phaseが長く,過度の矯正力を加えても大きな移動量が得られにくいことが明らかにされた。このことより,加齢に伴う歯周組織の変化が歯の移動に大きな影響を与えていることが強く示唆された。 2.光顕的観察 10gの矯正力を用いた群の経日的な組織変化に関して,圧迫側における改造過程の初期において成長期群と成熟期群で最も大きな差異が認められた。すなわち,成熟期群では成長期群と比較して圧迫側における組織改造の開始時期が遅れることが明らかとなった。このことより,同じ大きさの力を加えて場合でも歯周組織の加齢変化により,圧迫側の変性組織の吸収遅延が起こり,ひいては歯槽骨の改造機転にも遅れが生じることが示された。 3.歯周靱帯内細胞増殖の様相 ブロモデオキシウリジン(BrdU)を腹腔内投与,歯周靱帯における増殖細胞の全細胞数に占める割合を牽引側、圧迫側について免疫組織化学的染色により求めた。歯周靱帯の牽引側では,歯の移動1日目における細胞増殖が成熟期ラットよりも成長期ラットにおいてより活発であったことが示された。一方,圧迫側では,その骨改造段階において成熟期ラットの細胞反応の時期的な遅れが明らかとなったが,これは光顕的観察において成熟期ラットの初期に変性組織の吸収が遅延していた所見と一致する結果であった。
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Research Products
(1 results)