1994 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内外の環境変化が咀嚼筋活動に与える影響に関する研究-終日筋電図を活用して-
Project/Area Number |
06672063
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
山田 健二郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60047800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一田 利道 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (70094761)
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Keywords | 終日筋電図 / 顎顔面形態 / 咬合挙上板 |
Research Abstract |
咀嚼筋の活動、すなわち「咬む」という機能と顎顔面形態には強い関連があるといわれており、咀嚼筋活動が変化すれば顎顔面形態も変化すると考えられる。研究代表者らが考案開発した、「終日筋電図」を活用して、口腔内外の環境変化が咀嚼筋活動に及ぼす影響について調査するものである。今年度は咬合挙上板を装着したときの咬筋活動の変化を調査した。 挙上板無装着(無装着)、前歯部咬合挙上板装着(前歯部型)、全歯接触型咬合挙上板装着(全歯型)の3つの状態を作り、咬筋活動の相違を調査した。 なお、全歯部型、無装着では、咬筋の生理的な範囲での強いかみしめが可能であるが、前歯部型では、前歯のみが咬合接触するため強いかみしめは困難となる。 同一人で3つの状態での咬筋活動の変化は以下のようであった。 1.終日では、前歯部型、全歯型、無装着の順に活動量が多かった。 2.睡眠時では、全歯型、無装着、前歯部型の順に活動量が多かった。 以上の結果は、終日では会話等の日常的な動作が装置によって妨げられるのはもちろんであるが、無意識的にも筋活動が低下したことを示したものと考えられる。一方、睡眠時では、前歯部型では下顎前歯のみの咬合接触が可能となるため強いかみしめが困難となり、睡眠時に生理的に要求される筋活動量を咬む回数で補ったものと考えられる。 今後、より多くの被験者を対象とし、さらに詳細なデータ解析を行うことにしている。歯の咬合接触と咬合高径との関係、装置と違和感の関係、前歯部型、全歯型の相違の関係等を明らかにしたいと考えている。
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