1994 Fiscal Year Annual Research Report
口臭スクリーニング法の開発-集団歯科健康診断への導入-
Project/Area Number |
06672064
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
宮崎 秀夫 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (00157629)
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Keywords | 口臭 / 揮発性硫化物 / 歯周疾患 / 舌苔 |
Research Abstract |
近年開発されたポ-タブルサルファイドモニター(Halimeter)を用いて 1.地域住民の口臭の実態を明らかにする、 2.口臭の経時的変動を把握する、 3.口腔内局所原因との関連を究明する、 4.口臭の社会的容認限度を設定する、 5.測定時間帯に応じた容認限度の設定を調整する、 ことにより、集団歯科健診に導入する口臭スクリーニング法の確立を果たすことを目的として、福岡県内の18歳〜64歳の成人2672名について、口臭測定とCPITNとPMAindexによる歯周疾患、う蝕検診、舌苔の分布評価を含む口腔診査および問診を行なった結果、口腔内揮発性硫化物濃度の測定値に有意な性差は認められなかった。又、年齢による差も認められなかった。測定時間による口腔内揮発性硫化物濃度については、午前と午後の両方において最後の口腔活動から2時間以上経過した集団が高い値を示した。揮発性硫化物濃度と相関関係が認められた診査項目は、舌苔量とCPITNのスコアおよびPMAindexであり、Plaque index、歯磨き回数、喫煙習慣、口臭の自覚、未処置う蝕歯数との間に相関関係は認められなかった。 以上の結果は、口臭の危険因子として性別、年齢、う蝕、プラーク、喫煙習慣は関係がなく、歯周疾患と舌苔が主な原因であることを示唆している。さらに、測定時間帯により6%から23%の人に口臭を発生している可能性が示唆された。 今後、さらに、受信者動作特性(ROC)分析を用いて口臭の社会的容認度の設定、調整などを行なう予定である。
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