1994 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム触媒インドリン合成を用いるCC-1065ファルマコフォアの不斉合成
Project/Area Number |
06672085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 薬学部, 助教授 (90162122)
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Keywords | パラジウム触媒 / Heck反応 / CC-1065 / デュオカルマイシン / インドリン合成 / ファルマコファオ / キラルリガンド / 不斉合成 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した研究実施計画に従い研究を行い以下に記した結果を得た。 1.パラジウム触媒反応を用いる3位置換インドリン類の合成・分子内Heck反応を用いてCC-1065およびデュオカルマイシンのファルマコフォアの前駆体である3位置換インドリン類の新しい合成法を検討した.その結果,アリルアルコールの異性化を伴う分子内Heck反応を用いることにより新しいインドリン合成の手法を開拓した. 2.ファルマコフォアへの変換反応:上記1で得られるインドリン誘導体からのファルマコフォアへの変換反応を検討し,簡便な変換法を確立した.即ち,得られるインドリアセタルデヒド体を還元しエタノール体とした後ビニル体へと変換後,O_SO4を触媒とする酸化開裂反応によりインドリンメタノール体を得るものであり,この変換反応はキラルな基質を使用した場合にも,ラセミ化は起こらないものと考えられる.インドリンメタノール体からファルマコフォアへの変換については文献記載の方法を修飾して行った. 3.不斉Heck反応を用いる光学活性体の合成:上記1の反応について,種々のキラルリガンドを用いる不斉Heck反応を検討し,小さい値ではあるが不斉誘導を行った.この不斉Heck反応についてはさらに検討を加える必要があり,今後の課題である.ここで不斉収率を簡便に算出する手法としてキラルなジアミンを用いてアミナールを形成し,NMRスペクトルにより解析する手法を確立したので,今後の研究において貴重な知見を得たものと考えられる.
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