1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子の特性を利用する不斉シクロペンタンアニュレーション法の開発
Project/Area Number |
06672091
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武田 敬 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (30135032)
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Keywords | シクロペンタンアニュレーション / [3+2]アニュレーション / 触媒的不斉合成 / 抗腫瘍性プロスタノイド / Clavulones |
Research Abstract |
前年度における,光学活性oxazoline誘導体を不斉補助グループとして用いる[3+2]アニュレーションの結果に基づき,より一般性が高く効率的な,触媒的不斉[3+2]アニュレーションを検討した.C3単位として(β-(phenylthio)acryloyl)silane,C2単位として3-methyl-2-butanoneのLi enolate,そして不斉リガンドとしてsparteineやbisoxazoline誘導体を用いて反応を検討したところ,エナンチオマー過剰率はまだ低いが不斉誘起がおこることがわかった.また,[3+2]アニュレーションの生物活性天然物合成への応用研究の一環として,抗腫瘍性海産プロスタノイドであるClavulone類の合成を検討した.これまでClavulone類の全合成の報告は数例あるが五員環形成に主眼をおいたものはなく,いずれも多工程を要していた.われわれの合成ルートの特徴は,ω-鎖の導入をシクロペンテノン骨格形成と同時に行うもので,大幅な工程の短縮が期待される. (β-(phenylthio)acryloyl)silaneとω-鎖を含んだメチルケトンのエノレートとの[3+2]アニュレーションで一挙にシクロペンテノン骨格を構築した後,D-グルタミン酸から導いた光学活性アルデヒドとのアルドール反応,次いで酢酸の脱離によりClavulone IIおよびClavulone IIIの合成に成功した.これらの,種々のスペクトルおよび比旋光度は天然品と一致した.
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