1994 Fiscal Year Annual Research Report
組織培養系を利用したスコパドルシ酸Bの効率的生産方法の確立
Project/Area Number |
06672092
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 利光 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (40092796)
|
Keywords | Scoparia dulcis / 組織培養 / ジテルペン / スコパドルシ酸B / スコパドルシオール / 器官培養 |
Research Abstract |
1.細胞レベルでのスコパドルシ酸B(SDB)高生産性培養株の選抜 SDBおよびSDXタイプのScoparia dulcisの葉から誘導したカルスについて、光照射時間のジテルペン生産に及ぼす影響を調べたところ、細胞の増殖量と細胞単位重量当りのジテルペン生産量の間には負の相関関係がみられ、結果的に、培養フラスコ当りのジテルペン生産量には有意差はなかった。なお、SDBタイプ由来のカルスでは四環性のジテルペンが殆ど検出されなかったのに対し、SDXタイプ由来のカルスでは四環性のscopadulciolの生産が確認された。また、ジテルペン類の生産性は親植物に比べてかなり低収率であった。 2.器官レベルでのSDB高生産性培養株の選抜 (1)マルチプルシュートの培養とSDB高生産条件の検討 マルチプルシュートについても、光照射時間のジテルペン生産に及ぼす影響を調べたところ、増殖おジテルペン生産も光照射時間が長い程良好で、しかも、親植物と同じタイプのジテルペンを主に生産することが確認されたが、量的には依然少ないものであった。 (2)実生におけるジテルペン生産能の調査 Scoparia dulcisの種子を無菌発芽させ、得られた実生についてジテルペン生産能を調べたところ、発芽7-9日後に親植物と同じタイプのジテルペン類が検出されるようになることが判明した。 (3)葉の器官培養条件の検討 前項で得られた実生を1/4寒天培地で培養し、4週間後に葉部を切り取って1/4MS液体培地に移して振とう培養したところ、良好な葉状組織の増殖が観察された。 以上の実験結果から、葉の器官培養が最も効率的な方法であると思われるので、今後は葉の器官培養に的を絞って条件検討を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.hayashi,K.Gotoh,K.Ohnishi,K.Okamura and T.Asamizu: "6-Methoxy-2-benzoxazolinone in Scoparia dulcis and its production by cultured tissues" Phytochemistry. 37. 1611-1614 (1994)