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1994 Fiscal Year Annual Research Report

1,2-グリコール環状シュウ酸ジエステルの合成と開裂

Research Project

Project/Area Number 06672095
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

板谷 泰助  金沢大学, 薬学部, 助教授 (20019657)

Keywords1,2‐グリコール / 環状シュウ酸ジエステル / 環状炭酸ジエステル / 立体電子効果 / 塩化オキサリル / 反応機構 / 縮合環化反応 / 高選択的合成
Research Abstract

種々の鎖状1,2‐グリコール類と塩化オキサリルのテトラヒドロフラン中トリエチルアミン存在下での反応は,最初に生成する塩化オキサリルのモノエステルがいす型遷移状態を経て環状テトラヘドラル中間体を与え,立体電子効果によって炭素‐炭素間結合の開裂が促進されて環状炭酸ジエステルを生じること,この中間体の環反転が容易な場合には環状シュウ酸ジエステルの生成が可能になることが分かった。
1.この反応をトランスシクロヘキサン1,2‐ジオールについて行ったところ,上記の反応機構からは一方的に環状炭酸ジエステルが生成することが予想されるのに,実際には全く逆に環状シュウ酸ジエステルのみが生成した。この結果は、いす型遷移状態を経る場合には,橋頭位の水素原子とカルボニル酸素との間の立体障害が大きくなると考えることによって理解し得た。このような立体障害が存在しない他の環状1,2‐グリコール類については,すべて鎖状1,2‐グリコール類の反応から予想される結果を得た。
2.不安定な環状シュウ酸ジエステルを単離するためには環状炭酸ジエステルの生成を極力抑えなければならない。反応温度や溶媒を変化させることによっては、このような目的を達成できなかった。
3.ピナコールやトレオ型1,2‐グリコールの反応の選択性は,塩基をピリジンに代えることによって完全に逆転し,これらの環状シュウ酸ジエステルを初めて入手し得た。エリトロ型1,2‐グリコールからは大量のポリマーが副生する問題は,2,6‐コリジンを用いることによって解決された。シュウ酸の塩化物の代わりにイミダゾリドを用いればよいことも判明した。かくしてあらゆるタイプの1,2‐グリコールの環状シュウ酸ジエステルを合成できるようになり,これらの科学的性質を研究する態勢が整った。

URL: 

Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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