Research Abstract |
マラバリコン類{Ar(CH_2)_8COAr′}については,Ar=phenylのものについてAr′をphenyl,o-,m-,p-hydroxyphenyl,o,m-dihydroxyphenyl,o,p-dihydroxyphenyl,o,m-dimethoxyphenyl,o,p-dimethoxyphenylに変えたものを合成し,その活性を調べた.その結果,Ar′のp-位に水酸基を持つものが強い活性を示し,中でもAr′=p-hydroxyphenylのものが,犬蛔虫に対する最小致死濃度(MLC)が8μMと,天然から得られているマラバリコンC(MLC=5μM)やマラバリコンA(MLC=8μM)に匹敵する殺線虫活性を示した. 一方,ピペラミド類{Ar(CH_2)_nCO-X:Ar=芳香環,X=アミン}については,芳香環部(Ar)としてp-hydroxyphenyl,m,p-dihydroxyphenylのいずれか,またアミン部(X)としては,pyrrolidine(C),またはN-methylpiperazine(M)を持つピペラミド類について,各々メチレン鎖の長さ(n)が6,8,10,12及び14の同族体を新たに合成し,各々の殺線虫活性を測定した.その結果,水酸基の導入により分子全体の極性(親水性)は増加しているにも関わらず,最大活性を示す側鎖の長さはphenyl,p-methoxyphenylなどをもつものに比べ,p-hydroxyphenylで炭素数2個,m,p-dihydroxyphenylで炭素数4個少なくなっていた.このことから,本活性にはフェノール性水酸基が重要な役割を果たしていることが推察された.
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