1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672117
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
永井 正博 星薬科大学, 薬学部, 教授 (30090666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南雲 清二 星薬科大学, 薬学部, 講師 (80097162)
野口 万里子 星薬科大学, 薬学部, 助手 (80247121)
鎌田 勝雄 星薬科大学, 付置研究所, 助教授 (40121496)
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Keywords | 丹参 / シネロ / 平滑筋弛緩 / リソスペルミン酸誘導体 |
Research Abstract |
現代老人病の中で血液循環障害に起因する病気は大きな比重を占めている。漢方および中国医学には〓血という独特な概念があり、駆〓血薬とされる生薬の多くは何らか血管運動に影響を与えるものと期待される。血管を弛緩させる生体機構は複雑であるが、近年血管内皮細胞の働きが注目されており、我々は生物活性試験法として内皮保護血管標本を採用することとした。今回研究対象とした駆〓血生薬である丹参(Salvia miltionrrhiza)、沢蘭(Lycopuslucidus)は共にシソ科植物を基原とする生薬である。沢蘭は基原植物が二種あり、我々はシロネ(上記学名)を栽培して、研究材料とする。 丹参についてすでに得られている実験結果として、その化学成分として知られるlithospermic acid B(以下LSA-Bと略記)が内皮依存性血管弛緩物質であることをすでに報告してあったが、その後、LSA-Bはラットにおいて血圧降下作用を示し、取り出された腸間膜動脈床に対し内皮依存性で、用量依存的弛緩作用を示すことを確認し、報告した。さらに、平成6年度計画どおり、強力な血管弛緩物質X(dePL-LSA)を抽出・分離・構造決定することができた。この物質をLSA-Bから調整する方法を検討したが、収率がやや悪く、改善の余地がある。沢蘭(シロネ)の栽培については、平成6年度計画どおり、昨秋大量の収穫を得た。 以上、dePL-LSAの抽出・構造決定および量的確保、シロネの栽培とも、計画どおり達成された。
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Research Products
(1 results)