1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規コレステロール生合成阻害物質ザラゴンジン酸(スクワレスタチン)類の合成研究
Project/Area Number |
06672119
|
Research Institution | Institute of Medicinal Chemistry Hoshi, University |
Principal Investigator |
津吹 政可 星薬科大学, 付置研究所(医学品化学研究所), 講師 (90163865)
|
Keywords | ザラゴジン酸 / スクワレスタチン / 合成研究 / スクワレン合成酵素阻害 / フラン / Wittig転位 / デンドロラシン / フリルメチルエーテル |
Research Abstract |
スクワレン合成酵素阻害物質であるザラゴジン酸(スクワレスタチン)類の合成においては、基本母核であるジオキサビシクロオクタン系の構築と1位へのアルキル鎖の導入が課題である。本研究では基本母核に相当する4,6,7-トリヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-2,8-ジオキサビシクロ[3.2.1.]オクタン-3,4,5-トリカルボン酸の構築法の確立を目的とし検討したところ,4個の連続する不斉中心を有する(3R,4R,5R,6S)-1,7-ジアセトキシ-4-ベンジロキシ-3-tert-ブチルジメチルシロキシ-8-ノニン-2-オン-5,6-ビス[スピロ-4′-(2′,2′-ジメチル-1′,3′-ジオキサソラン)]の立体選択的合成に成功した。すなわち、炭素単位として3,4-ビス(メトキシメトキシメチル)フランを用い、その2-リチオ体を光学活性源である(S)-2,3-O-イソプロピリデングリセルアルデヒドに付加し、(2S,3S)-3-{2-[3,4-ビス(メトキシメトキシメチル)フリル]}-1,2-O-イソプロピリデングリセロールに導いた。この化合物を環拡大しピラノン体に誘導後、4位のオレフィン部のジヒドロキシル化、3位のケトン部の還元、さらに6位へのカルボン酸単位に相当するエチニル基の導入により重要合成中間体の立体選択的合成に成功した。本化合物は基本母核の全ての炭素単位を有するとともに、母核部のC4-C71に相当する不斉中心の立体化学も持っており、基本母核部分の等価体に相当する。今後、分子内アセタール化反応を行うことにより、ザラゴジン酸(スクワレスタチン)類の立体選択的合成を達成する予定である。 また、ザラゴジン酸(スクワレスタチン)類の合成研究途上で3-フリルメチルエーテル類のWittig転位反応をみいだすとともに、本転位反応が種々のフリルメタノール誘導体の新規合成法として有用であることを証明した。本反応の天然物合成への応用として、フラノセスキテルペンの一種であるデンドロラシンの合成を達成した。
|
-
[Publications] 津吹政可: "Wittig Rearrangement of 3-Furylmethyl Ethers and Its Application to the Synthesis of Dendrolasin" J. Chem, Soc, Chem, Commun.2135-2136 (1995)