1995 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD第2相代謝物の合成と骨粗しょう症診断への応用
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06672137
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
島田 和武 金沢大学, 薬学部, 教授 (90004605)
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Keywords | ビタミンD / 第2相代謝物 / ヒト血中 / サルフェート / ラット / 胆汁 / グルクロニド |
Research Abstract |
昨年度合成した抱合体[glucuronide(G),sulfate(S)]の標品(計8種)を用いてそれらのHPLCにおけるクロマトグラフ的挙動を精査した.これを基に,疑問視する意見もあったヒト血中25-hydroxyvitamin D_33-S[25(OH)D_33S]の存在を明らかとした.これには,各種クロマトグラフ的挙動の解析の他,電気化学検出器を含む各種検出器の特徴も有効に活かした.また,先に開発したCookson型プレラベル化試薬であるMBOTADにより誘導体化し同定をより確実なものとした. 次いでヒト血中の25(OH)D_33Sの定量法を確立した.分離検出手法としてはUV/HPLCを,前処理にはイオン交換Sephadexを用いた簡便なものである.また,遊離型である25(OH)D_3の定量法も開発した.分離検出手法としてはUV/HPLCを,前処理には固相抽出カートリッジを用い,従来法より簡便化をはかった.上記の分析法を基に,ヒト血中における25(OH)D_3の抱合型と遊離型の存在比を求め,病態との関係に検討を加えた.その結果,腎不全患者のそれにはほとんどS体が見られない場合のあることや,健常人のそれでは逆にS体が遊離型の2倍近く存在する場合のあることが判明した. 一方,G体についてもD_3あるいは25(OH)D_3投与胆管ろうラット胆汁より3G及び25G体を単離同定した.従来,実試料におけるG体の存在を示唆する知見は得られているが,このように直接標品との比較で確認された例はなく,今後の発展が期待される.
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[Publications] Kazutake Shimada: "Separation and characterization of 25-hydroxyvitamin D_3 3-sulfate in human plasma by high-performance liquid chromatography" J. Chromatogr. Sci.,. 33(2). 82-85 (1995)
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[Publications] Kazutake Shimada: "Syntheses and enzymatic hydrolysis of 25-hydroxyvitamin D monoglucuronides" Chem. Pharm. Bull.43(8). 1379-1384 (1995)