1995 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤の体内動態と薬効に関するポピュレーション解析
Project/Area Number |
06672140
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安原 眞人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00127151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 征也 京都大学, 医学部, 講師 (90228429)
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Keywords | 免疫抑制剤 / タクロリムス / 薬物体内動態 / 肝疾患 / 肝抽出率 |
Research Abstract |
臓器移植において、免疫抑制剤の適正使用は移植の成否を左右する極めて重要な役割を担っている。有効かつ安全な免疫抑制療法の確立には、基礎となる免疫抑制剤の体内動態と薬効に関する知見が不可欠である。我々はすでに、生体部分肝移植を受けた患児における免疫抑制剤タクロリスム(FK506)の体内動態と薬効につき検討を加え、その体内動態に大きな個体差があることを明らかにした。そこで、本年度は実験動物を用いてタクロリスムの体内動態につき検討を加え、以下の知見を得た。 1.酵素免疫法(EIA法)によるタクロリムス血中濃度測定における代謝物との交差反応を除くため、HPLC法とEIA法を組み合わせた新たな測定法を開発した。生体肝移植患者、正常ラット、肝疾患ラットにおけるタクロリムスの血中濃度をEIA法とHPLC-EIA法で測定したところ、両測定法で顕著な差は認められなかった。 2.正常ラットにおけるタクロリムスを静脈内投与並びに門脈内投与して求めた肝抽出率は約50%であり、タクロリムスの肝固有クリアランスと肝血流量はほぼ等しいと考えられた。 3.四塩化炭素投与による肝疾患ラットでは、タクロリムスの血中濃度が正常ラットに比し上昇し、消失半減期が延長する傾向を示した。肝疾患によりタクロリムスのクリアランスと肝抽出率が著しく低下し、肝機能がタクロリムスの体内動態に大きく影響することが示唆された。
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[Publications] Y.Tomita: "Transport of oral cephalosporins by the H+/dipeptide cotransporter and distribution of the transport activity in isolated rabbit intestinal epithelial cells." J.Pharmacol.Exp.Ther.272. 63-69 (1995)
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[Publications] M.Yasuhara: "Pharmacokinetics and pharmacodynamics of FK506 in pediatric patients receiving living related donor liver transplantations" Transplantation Proc.27. 1108-1110 (1995)
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[Publications] M.Hirai: "Cepharanthin,a multidrug resistant modifier,is a substrate for P-glycoprotein" J.Pharmacol.Exp.Ther.275. 73-78 (1995)
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[Publications] Y.Hashimoto: "Simulation for population analysis of Michaelis-Menten elimination kinetics" J.Pharmacokin.Biopharm.23. 205-216 (1995)