1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672144
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
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Keywords | イオン選択性電極 / ポテンシオメトリー / 臨床化学分析 / 血中薬物濃度測定 / てんかん / コカイン / 麻薬 / 生体膜と薬物の相互作用 |
Research Abstract |
今年度は,医療の分野へイオン選択性電極を応用することを積極的に進めた。まず第一に,小児難治性てんかん薬として用いられている臭化物薬剤の血中濃度測定に臭素イオン電極が応用できることを初めて示した。この薬剤は有効治療濃度域と副作用濃度域が近いために血中濃度のモニタリングが必要な薬剤の一つであるが,イオン電極法は従来から行われている吸光度法よりも簡便性・経済性に優れていることが示された。さらに,抗不整脈薬として用いられているプロカインアミドに応答する電極を開発し,この電極も血中濃度のモニタリングへ応用できることを示した。また,麻薬コカインに応答する電極が開発され,薬剤混合溶液中に含まれるコカインの定量に利用された。現在,さらに臨床化学あるいは裁判化学領域へ電極法を応用することを進めており,例えば,アンフェタミンに応答する電極の開発,あるいは血清コリンエステラーゼ活性を電極法により定量することを試みている。後者の例では,基質として塩化ペンゾイルコリンを用いて,生成する安息香酸を電極で定量することを原理としている。 これらの研究とは別に,電極法(特に,K^+電極)は細菌細胞膜に対する生理活性ペプチド(例えば,抗生物質グラミシジンSあるいはカブトガニの血球から単離されたタキプレシンなど)の作用を検討するために利用されている。これらのペプチドは細菌細胞膜のK^+透過性を増大するが,透過性変化が起こるときには細菌の形態が変化することを見いだした。現在,形態変化とK^+透過性(あるいは細菌の生存率)変化との関係について詳細な検討を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takashi Katsu: "Ion-selective electrode for serum bromide assay in patients with epilepsy" Clinica Chimica Acta. 234. 157-161 (1995)
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[Publications] Kiyoyuki Watanabe: "Development and application of a cocaine-selective electrode" Japanese Journal of Toxicology and Environmental Health. 41(in press). (1995)
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[Publications] Yasuhiro Shimonaka: "Changes in the shape of Escherichia coli and human erythrocytes induced by antimicrobial peptides:polymyxin B,EM 49,gramicidin S and tachyplesin" Peptide Chemistry 1994. (in press). (1995)
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[Publications] Takashi katsu: "Ion-selective electrode for procainamide determination in blood serum" Analytica Chimica Acta. (in press). (1995)