1994 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する製剤学的研究
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06672150
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
四ツ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫨本 紀夫 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (40192273)
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Keywords | アンチセンス / オリゴタクレオチド / カチオン性リポソーム / 遺伝子発現抑制 / 細胞内取り込み機構 / DNA-リポソーム複合体 |
Research Abstract |
アンチセンスキャリアーとして新たに合成した3級アミノ基を持つコレステロール誘導体から成るカチオン性リポソームを薄膜法により調製した。リポソームの細胞毒性及びトランスフェクション能力を、LDH法及び色素排除法、更に、CAT遺伝子の発現量により調べた結果、細胞毒性及びトランスフェクション能力共に市販のリポフェクチン試薬より優れていた。アンチセンス活性のアッセイ系として、CAT遺伝子をトランスフェクションしたHeLa3細胞を用いることにより評価した。この系で、カチオン性リポソームとCAT遺伝子の翻訳開始点からの15merのアンチセンス(5′-GATCCCCCCCTCCAT-3′)の併用により、アンチセンス効果をアンチセンス単独投与に較べ数倍増強することができた。次にアンチセンスとカチオン性リポソームとの相互作用について蛍光エネルギー移動法及び動的光散乱法で調べた。アンチセンスとリポソームは複合体を形成し、その粒子径はリポソームに較べ数10倍の大きさ(1-3μm)であった。共焦点レーザー顕微鏡での観察では、この大きな複合体が細胞表面に結合しているのが観測され、インキュベーション1時間後に細胞内に取り込まれることが判った。2.5時間後、リポソームを構成する脂質は核周辺に集積する一方、アンチセンスはこの時点で核に集積していた。これらは、低温度条件下(25℃。4℃)では観測されず、カチオン性リポソーム-アンチセンス複合体の取り込みは温度依存性の生理的取り込み機構が関与していることが示唆された。蛍光ラベルアンチセンスのみの添加では細胞内及び核の何れでも観測されず、カチオン性リポソームによりアンチセンスの細胞内への導入及びその遺伝子発現抑制効果が著しく促進されることが判った。
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