1996 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル中の薬物拡散と網目の巨視的運動による薬物放出制御に関する物理化学的研究
Project/Area Number |
06672151
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
米勢 政勝 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 勇 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (70137123)
佐藤 志津子 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (70080207)
釘宮 慎一 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60183795)
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Keywords | 薬物放出制御 / ゲル / 網目 / 拡散 / 巨視的運動 |
Research Abstract |
本研究では、ゲルの動的過程中の巨視的運動が溶質放出速度に与える効果を明らかにし、新規の応答機能性薬物放出制御システム開発の基礎とする事が目的である。 本研究で次のような知見を得た。(1)ゲルのメッシュサイズの評価法が確立された。メッシュサイズ、溶質の粒径と拡散係数との関係がスケーリングされた。また、溶質の形が拡散に重要な影響を与えた。(2)高分子の網目形成により溶質拡散は抑制された。(3)ゲルの応力緩和およびクリープ過程は、溶質放出に顕著な効果を与えなかった。(4)ゲル網目の巨視的運動が溶質放出速度に与える効果の研究では、外部溶液の添加物質濃度の増加に伴い、ゲルからの溶質放出が抑制された。浸透圧変化による、網目の動的過程が放出抑制の主要因子であると考え、研究を進めた。しかしながら、添加物質濃度の増加に伴う溶液密度の増加が溶液攪拌に重要な影響を与え、見掛け上放出抑制が起こることが判明した。添加物質濃度の増加効果は交叉拡散の影響が主である事が分かった。 これらの研究成果より、ゲル網目の巨視的運動による放出制御に関する研究をさらに進めるためには、添加濃度効果以外の因子(例えば、電場、磁場、pH、界面活性剤等)によるゲルの膨潤-収縮過程を用い研究を進める必要がある。 以上のように、本研究は科学研究費の補助金を受け、成果をあげることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M. Yonese et al: "Effects of Dynamic Process of Hydrogel on Solnte Release" Chem. Lett,. 1995. 917-918 (1995)
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[Publications] M. Yonese et al: "Effects of the Molar Mass of a Solute on Perixeability through Poly (vinye alcohol) Gel Membrare" Bull, Chem, Soc, Jpn,. 69. 883-889 (1996)
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[Publications] H. Tsuge, M. Yonese et al: "Thermadynamic Properties of Dilution of Chondroitin 4-Snlbate Hauing tetraalkylammonium Counterlons" Colloid Polym Sci.,. 274. 819-825 (1996)