1995 Fiscal Year Annual Research Report
薬物治療への超音波の有効利用:パルス照射による経皮治療システムの研究
Project/Area Number |
06672153
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
宮崎 正三 北海道医療大学, 薬学部, 助教授 (70095321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 雅子 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (60204210)
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Keywords | 経皮吸収 / 超音波照射 / パルス型超音波 / インドメタシン / 吸収促進機構 |
Research Abstract |
1.連続波とパルス波の比較 連続波およびパルス波の影響と吸収促進効果との関係を知るために、総エネルギー量(照射強度×照射時間)が一定になるような照射法、照射強度、照射時間の組み合せについて、超音波の促進効果を比較した。 総エネルギー量が5W・min/cm_2となる連続波(0.5W/cm_2、10min)のAUCは対照群に比べ1.8倍増加したの対し、パルス比1:2のパルス波(1.0W/cm_2、15分照射)のAUCの増加が最大で、2.3倍だった。 2.皮膚温度に対するパルス波の影響 連続波を照射することにより皮膚表面温度および皮下温度が照射強度に依存して上昇する。火傷が起きるような過度の照射は回避しなければならず、皮膚温度はそれを防ぐ指標となる。そこで、パルス波についても皮下温度に対する影響を検討した。超音波を照射すると皮下温度は照射強度に依存して照射開始後5分までは急速に、その後は徐々に上昇し一定となった。照射を停止すると、直ちに温度が低下した。照射強度が大きいほど温度上昇度は大きかった。パルス波照射後の皮膚組織顕微鏡写真から、パルス比1:2では何れの照射時間においても皮膚組織には何らの異常もないことを確認した。 これらのパルス超音波照射条件と経皮吸収促進効果との関係から、パルス照射により皮膚温度の上昇を抑えて超音波の機械的振動作用による薬物の皮膚透過性を促進できる可能性が示唆された。
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