1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672159
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
萩中 淳 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (20164759)
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Keywords | オボムコイド / オボムコイドドメイン / 牛血清アルブミン / 牛血清アルブミンフラグメント / 光学分割 / キラル充填剤 |
Research Abstract |
1.オボムコイドドメインを固定化した充填剤による光学分割 ニワトリオボムコイド(OMCHI)より、糖鎖フリーサードドメイン(OMCHI3)および糖鎖含有サードドメイン(OMCHI3S)を単離し、光学認識能を見いだした。従来、光学認識能を見いだしていた糖鎖フリーの七面鳥オボムコイドサードメイン(OMTKY3)とOMCHI3上での2-アリルプロピオンン酸誘導体の光学認識機構をNMRおよび計算化学的手法を用いて詳細に検討した。一方のエナンチオマーはOMTKY3およびOMCHI3上のArg21、Phe53、Leu23およびLys34とのイオン的相互作用、水素結合、疏水性相互作用し、片方のエナンチオマーはこれらの相互作用のすべてを受けるわけではない。その結果、光学認識が起こることが明かとなった。また、上記サイト以外に、非特異的相互作用部位の存在も明かとなった。 2.牛血清アルブミンフラグメントを固定化した充填剤による光学分割 ペプシンを用いて牛血清アルブミン(BSA)を酵素水解し、得られたフラグメントをサイズ排除およびイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。得られたBSAフラグメントは、分子量約35,000のN-末端側フラグメントであることが明かとなった。次に、BSAフラグメントを固定化した充填剤を固定化し、光学認識能を精査したところ、Tryptophan、Warfarin、Benzoin、2-アリルプロピオン酸誘導体、ベンゾジアゼピン系化合物に対して光学認識能を有していた。しかし、BSAフラグメントを固定化した充填剤ではTryptophanに対する光学認識能は失われていた。また、BSAフラグメントを固定化した充填剤は、特定の化合物に対して光学認識能の優れた、負荷容量の大きな、安定な光学分割用充填剤であることが明かとなった。
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