1994 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染物質から誘起された生体内フリーラジカル種の無侵襲三次元視覚化法の開発
Project/Area Number |
06672161
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
藤井 博匡 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部門, 研究員 (70209013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 俊明 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部門, 研究員 (10239204)
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Keywords | フリーラジカル / ESR / in vivo / ESRイメージング / 発ガン剤 / ニトロソ化合物 |
Research Abstract |
我々は、昨年度までに、無侵襲in vivo ESR装置を用いて、発癌物質であるニトロソ化合物が原因で実験動物の体内に誘起されるフリーラジカル種の存在を無侵襲で観測することに成功している。そこで、本年度は、昨年度までの研究を一歩進め、環境汚染薬物が体内に取り込まれた際に、体内で生成するフリーラジカル種の体内分布を三次元的に視覚化するイメージングシステムの開発を行い、本装置を用いた応用研究を行った。 1.イメージング装置について:昨年度製作したループギャップレゾネーターを使用した無侵襲in vivo ESR装置の改良を行い、二次元画像化が可能な磁場勾配コイルを設計し製作した。このシステムを用いて、マウスの体内に取り込まれたニトロソ化合物から生成されるフェニルニトロキシドラジカルの分布を二次元的に調べた。この分布を二次元表示したところ、得られた二次元画像については、MRIと同様のmmオーダーでの画像分解能が得られているが、三次元画像については、予算および時間的にまだ十分な分解能が得られるまでにはいたっていない。 2.発癌物質から誘起されるフリーラジカル種の検出:ニトソロ化合物が生体内に入るとフリーラジカル化することを無侵襲ESR法で既に明らかにしている。そこで、本年度はニトロソ化合物の前駆体であるアミン類およびニトロ化合物が生体内に取り込まれた際に、これらの物質からも、ニトロソ化合物からと同様のフリーラジカルの生成が起こるかどうかを検討したところ、フェニルヒドロキシルアミンは、生体内で十分にニトロソ化合物に変換され、ニトロソベンゼンからと同様のニトロキシドラジカルが生成されていることを確認することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hirotada Fujii: "In vivo EPR studies of the metabolic fate of nitrosobenzene in the mouse." Mag.Reson.Med.31. 77-80 (1994)
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[Publications] Hirotada Fujii: "Biological reduction reactions of aromatic nitroso compounds:Evidence for the involvement of superoxide anions." Free Radical Res.Commun.21. 235-243 (1994)
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[Publications] Hirotada Fujii: "Modulation of the Heme Environment of Neutrophil Cytochrome b558 To a“Cytochrome P450-like"Structure by Pyridine." J.Biol.Chem.270. 3193-3196 (1995)
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[Publications] 藤井,博匡: "電子スピン共鳴法の医学生物学への応用" 月刊アイオニクス. 2. 3-8 (1994)