1994 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリン依存性キナーゼ2(cdk2)遺伝子の転写調節因子
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06672176
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大場 義樹 金沢大学, 薬学部, 教授 (10012634)
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Keywords | 細胞周期 / 転写調節 / リン酸化酵素 / 培養細胞 |
Research Abstract |
昨年度までの研究代表者らの解析により、cdk2は細胞周期に依存して細胞内含量が変動することがわかっている。そこでまず、この変化がmRNAレベルで起こるのかどうかを調べた。その結果、マウスcdk2mRNAはG1期からS期にかけて増加し、その後減少することがわかった。よって、cdk2遺伝子は細胞周期に依存した転写調節を受けると考えてその機構を解析することにした。 クローン化したマウスcdk2遺伝子の-419から+68の領域を蛍ルシフェラーゼ遺伝子のタンパク質コード領域に結合させたDNAを作成した。このキメラDNAをCHO細胞に導入し、外来DNAが染色体に組み込まれた形質転換細胞を得た。これらの細胞をいくつかクローン化して同調していない状態でのルシフェラーゼ活性を測定し、高い活性を発現する細胞クローンを選択した。次に、チミジンブロックを行ってこの細胞を同調し、細胞周期の各時期にある細胞から抽出液を調製してルシフェラーゼ活性を測定した。ルシフェラーゼ活性量がcdk2遺伝子の転写量におおよそ相当するはずである。その結果、ルシフェラーゼ活性はG1/S期から増加を始め、S期で最大に達し、その後G2期にかけて減少して元のレベルに戻った。この変化は、細胞が本来有するcdk2mRNA量の変動パターンとほぼ同様であった。したがって、マウスcdk2遺伝子の-419から+68の領域がこの遺伝子の細胞周期に依存した転写制御に必要な情報をすべて含んでいることがわかった。現在、転写制御領域をさらに限定することを試みている。
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Research Products
(1 results)