1994 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸応答性の遺伝子発現レベルからの解析と一酸化窒素による制御
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06672183
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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Keywords | グルタミン酸 / 小脳顆粒細胞 / 遺伝子発現 / 脳由来神経栄養因子 / 神経細胞死 / 一酸化窒素 / レドックス制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、神経細胞のグルタミン酸応答性を遺伝子発現レベルから理解することにある。当該年度は、主にマウス小脳顆粒細胞およびラット海馬神経細胞の初代培養系を用いて、以下の点が明らかとなった。 1.脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor;BDNF)遺伝子の発現誘導が、グルタミン酸レセプターあるいは電位依存性カルシウム(Ca^<2+>)チャンネルの活性化を介して、細胞内へのCa^<2+>流入に依存して起こることが明らかとなった。 2.高KC1濃度(25mM)では、BDNFの合成が活性化されていて、グルタミン酸入力による神経細胞死が起こりにくいことが明らかとなった。一方、低KC1濃度(5mM)では、神経細胞死が起こりやすかった。これは、BDNFによって、神経細胞生存維持に係わる遺伝子群の発現が活性化されたためと考えられた。 3.BDNF遺伝子のプロモーター上のTRE(TPA-responsive element)類似配列が、AP-1活性化に応答可能であることがわかった。また、このTREとMyc結合配列の両方に結合親和性を持つ未知のDNA結合活性が認められた。 4.一酸化窒素(NO)生成薬剤投与で、c-fos誘導後のAP-1活性化が顕著に抑制されることがわかった。これは、NOによるAP-1の転写後制御の可能性を示している。 5.in vitroのDNA結合反応系で、NOを介してAP-1のDNA結合活性が抑制される可能性を示した。 以上の研究により、グルタミン酸入力によって、遺伝子発現が一連のカスケードとして誘起されることが示された。また、NOが細胞内レドックス制御系を介して、遺伝子発現レベルをコントロールしている可能性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 津田正明: "神経伝達物質による遺伝子発現調節" Brain Medical. (印刷中). (1995)
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[Publications] Ken-ichi Ohtani: "Involvement of protein kinase C in Ca^<2+>-signaling pathways to activation of AP-1 DNA-binding activity evoked via NMDA-and voltage-channels" J.Neurochem.(印刷中). (1995)
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[Publications] 津田正明: "神経活動依存的な神経ネットワーク形成" 実験医学. 12. 59-65 (1994)
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[Publications] Akiko Tabuchi: "Modulation of AP-1 activity by nitric oxide (NO) in vitro." FEBS Lett.351. 123-127 (1994)
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[Publications] Tomoko Ono: "Limited diffusibility of gene products directed by a single mucleus in the cytoplasm of multinucleated myofibres." FEBS Lett.337. 18-22 (1994)
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[Publications] Tsuda,M.: "Direct injection of plasmid DNA into the brain" Genetic manipulation of the Nervous System(ed.D.S.Latchman)(印刷中), (1995)