1994 Fiscal Year Annual Research Report
シアリルトランスフェラーゼのゴルジ体局在化とその機構
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06672191
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野元 裕 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (80164747)
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Keywords | ゴルジ体 / シアリルトランスフェラーゼ / 局在化シグナル / ペルオキシダーゼ / パルス・チェイス |
Research Abstract |
細胞内でのタンパク質の選別輸送や特定の部位での保持機構の解明を目的として、トランスゴルジからTGN(トランスゴルジネットワーク)にかけて分布するα2-6シアリルトランスフェラーゼに注目し、ターゲットシグナルとされる膜貫通領域を含むペプチドと酵素ペルオキシダーゼの融合タンパク質を発現する新たな方法で解析を行った。 (1)融合タンパク質の発現:シアリルトランスフェラーゼのN末端より膜貫通領域までのcDNA配列をPCR法により合成した(細胞質領域9残基、膜貫通領域17残基、膜腔内19残基)。これのC末側にHRPのcDNAをつなぎ、発現ベクターpSRαに組み込んだ。このプラスミドを、エレクトロポレーション法で、ヒト上皮細胞由来HEp2細胞や、サル腎臓由来COS7細胞にトランスフェクトした。 (2)細胞内における局在:DABを基質としたHRP反応、および抗HRP抗体を用いる免疫蛍光法により、融合タンパク質がゴルジ体と考えられる領域に局在することを確認した。また、レクチンのWGAは核膜とトランスゴルジからTGNにかけて結合するが、DAB反応後には後者の染色のみ特異的に消失することから、融合タンパク質がトランスゴルジからTGNにかけて存在することを確認した。さらに、その局在はDAB反応後の電子顕微鏡による観察からも確認された。 (3)融合タンパク質の細胞内代謝:^<35>S-メチオニンを用いたパルス-チェイス実験から、融合タンパク質は2つの分子量の異なる分子種として存在し、最初に出現するのは分子量約50Kの分子であるが、この分子は半減期約1時間で消失し、その一部が分子量約64Kの安定な分子に変化することがわかった。酵素活性は64K分子のみに観察された。また、エンドグリコシダーゼHに対する反応性から、50K分子は糖鎖のプロセシングを受けていないERタイプであることが判明し、フォールディングが不十分なためほとんどがERで分解されていると考えられる。 (4)ゴルジタンパク質の保持に関与するタンパク質の検索:キメラタンパク質のHRP部分をマーカーとして、免疫沈降、化学的架橋などの手法でキメラタンパク質と相互作用するタンパク質を検索中。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Miyashita,H.Nomoto,H.Konishi,K.Hayashi: "Estimation of pS2 protein level in human body fluids by a sensitive two-site enzyme immunoassay" Clinica Chimica Acta. 228. 71-81 (1994)