1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672199
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中野 泰子 昭和大学, 薬学部, 助手 (20155790)
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Keywords | CD59 / 補体 / 補体制御因子 / 膜攻撃複合体(MAC) / 活性部位 / 合成ペプチド |
Research Abstract |
CD59は補体系より自己細胞を守る制御因子で、補体が活性化されて膜攻撃複合体(MAC)を形成する際、C5b-8へのC9の結合を阻止することによりこのMAC形成を阻害する。CD59は77個のアミノ酸よりなり5個のジスルフィド結合を持つ。N末41アミノ酸と42番目以降のC末36アミノ酸に分け、ペプチドP1-41とP42-77を合成し、ジスルフィド結合を再構築後、MAC形成阻害活性を測定した。N末部に活性が有り、そこでP4-18とP19-41を合成再構築し、活性を測定した。P4-18にも活性は有るものの、P19-41は膜結合型のCD59よりは弱いが可溶型CD59と同程度の強い活性を示した。更に小さくし、P20-25とP27-38を合成したが、これらは弱い活性しか持たず、P19-41に存在するジスルフィド結合による立体構造が重要であることが示唆された。P27-32、P33-38、P30-34も合成し、活性を測定したとろP19-41の10倍濃度は必要で有ったがかなりの活性を示し、立体構造が大事ではあるがN末より27番目から38番目までのアミノ酸が活性に重要である事がわかった。 当初、活性部位と思われるN末より19残基目から41残基目のアミノ酸を変異させたリコンビナントを作成し、活性を確認する予定であったが上記のようにこの部分由来の5から6個の小さなペプチドにも活性があり重要な残基を絞り込む事が困難で有ると思われた。そこでP19-41が強い活性を示すのにそのジスルフィド結合による立体構造が重要であることが示唆されたので、CD59が持つ5個のジスルフィド結合を変異により1個ずつ無くしたリコンビナントCD59の作成を試みた。しかし、発現ベクターを種々検討したが収量が低く、活性の確認はできなかった。
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