1994 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固因子結合蛋白質の凝固因子結合部位の分子生物学的手法による解析
Project/Area Number |
06672205
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
阿刀田 英子 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (20221046)
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Keywords | 血液凝固因子 / 結合蛋白質 / 結合部位 / 分子生物学 |
Research Abstract |
ハブ毒から単離した二本鎖の抗凝固蛋白質IX/X-bp上のIX因子やX因子に対する結合部位を明らかにすることを目的として、本年度の研究実施計画に基づいて検討し、以下の結果を得た。 1-(1)IX/X-bpを還元S-ピリジルエチル(Pe)化した後HPLCで分離して得たPe-A鎖及びPe-B鎖をマイクロタイタ-プレートに固定化し、それぞれの鎖に対するIX因子の結合性を検討した。IX因子はPe-A鎖及びPe-B鎖には殆ど結合せず、IX因子との結合には、IX/X-bpのS-S結合が保たれている必要があることが示唆された。そこで未還元のIX/X-bpのCNBr分解によって生じた断片と凝固因子との結合能について検討している。 1-(2)遊離のIX/X-bp及びIX因子と複合体を形成したIX/X-bpをFITCでラベルし、キモトリプシン消化した後HPLCで分離し、遊離時と複合体形成時とで修飾程度の異なる残基をアミノ酸配列分析により検索したところ、一部のリジン残基に違いが認められた。 2.ハブ毒腺由来のcDNAライブラリーからIX/X-bpのA鎖及びB鎖の前駆体をコードする複数のクローンを単離し、各クローンの挿入断片の全塩基配列を決定した。 3.2の結果をもとに、B鎖のN末端にMet-Val-Pro-Arg-を繋げた蛋白質に相当するDNA鎖をPCRにより合成して発現ベクターに組み込み、大腸菌を用いて発現させ、発現した蛋白質をIX/X-bpに対する抗体を用いたウェスタンブロッティングにより確認した。
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