1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい観点にたつアレルギー予防薬を目指した肥満細胞IgE非依存性作用部位の研究
Project/Area Number |
06672206
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
西村 多美子 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90162966)
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Keywords | Mast cell / Histamine release / N-acetylglucosamine / Glycoprotein / pertussis toxin / Intracellular calcium ion / Cytoskeletal assembly / confocal fluorescence microscope |
Research Abstract |
アレルギーに関与する肥満細胞は、化学物質、ブラジキニンなどの神経ペプチド、ハチ毒などの刺激によって1gE非依存的に活性化される。1gE非依存性刺激薬は腹腔肥満細胞の様な結合組織型肥満細胞を活性化するが、粘膜型肥満細胞は活性化しない。1gE非依存性活性化メカニズムは、Gi_2またはGi_3を介することを特徴とする。しかし、1gE非依存性レセプターや作用部位は想定されていない。我々はレクチンの抑制作用から、肥満細胞1gE非依存性作用部位が糖蛋白質であると想定した。平成6年度には、以下の結果を得た。 1.チョウセンアサガオレクチン(DSA)による肥満細胞活性化:GlcNAcオリゴマー特異性のDSAが糖鎖特異的にラット腹腔肥満細胞を活性化することを見いだした。この活性化はDSAのハプテン糖、その他のGlcNAc特異性レクチン(抑制性レクチン)、百日咳毒素で抑制された。DSAは1gE非依存性刺激の一つであった。 2.DSA結合部位の検討:マウス腹腔肥満細胞もDSAによりヒスタミンを遊離した。しかし、マウス骨髄由来肥満細胞は反応性を示さなかった。DSAの結合部位である糖蛋白質をレクチンブロッティンgで比較したところ、80-100KDa付近に差が認められた。これらの糖蛋白質の発現と反応性の関連性を引き続き検討中である。 3.ブラジキニン(BK)作用部位の検討:ラット腹腔肥満細胞のBKに対する特異的結合を観察した。粘膜型の肥満細胞では特異的結合は観察されなかった。BK結合部位はウエスタンブロッティングで検討中である。 4.共焦点レーザー顕微鏡を用いた検討:DSAによるラット腹腔肥満細胞活性化が、一過的な細胞内カルシウムイオン濃度上昇と、その後の細胞骨格重合反応であることを明らかとした。この活性化の初期過程はコンパウンド48/80と類似であった。また、抑制性レクチンはDSAでの細胞内カルシウムイオン濃度上昇を抑制した。
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[Publications] K.Matsuda et al.: "Datura stramonium agglutinin released histamine from rat peritoneal mast cells that was inhibited by pertussis toxin,・・・・" Jpn.J.Pharmacol.66. 195-204 (1994)
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[Publications] T.Suzuki-Nishimura et al.: "An initial signal of activation of rat peritoneal mast cells stimulated by Datura stramonium agglutinin:A confocal ・・・・・・" Jpn.J.Pharmacol.66. 205-211 (1994)