1994 Fiscal Year Annual Research Report
シアリダーゼの活性化に係るプロテアーゼの性質及び活性化機構について
Project/Area Number |
06672207
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
宇田 裕 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (90013937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 麻由 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (70235076)
平岩 雅男 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (40148127)
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Keywords | シアリターゼ / アミノペプチダーゼ / アマスタチン |
Research Abstract |
ヒト胎盤シアリダーゼが酸性条件下37℃でインキュベーションを行うと著しい活性化を受ける。著者らは先にこの活性化現象がアミノペプチダーゼA様のプロテアーゼの関与によって行われることを阻害剤を用いた実験から明らかにした(J.Biochem.,114,901(1993))。今回、この活性化に関与するプロテアーゼの性質と活性化機序の解明を行う目的で、プロテアーゼの分離、精製を試みた。 ヒト胎盤を用いて、シアリダーゼの精製法に準じて分離操作を行い、Con A吸着画分を得た。この標品はシアリダーゼの著しい活性化現象を示すと共に、アミノペプチダーゼAの阻害剤であるアマスタチンにより特異的に阻害されることを確認した。またこの標品はグルタミン酸アミノペプチダーゼ及びロイシンアミノペプチダーゼ活性を持つことが分かった。Con A吸着画分を用い、両アミノペプチダーゼ活性を指標にプロテアーゼの精製を試みたところ、セファデックスG-200ゲルろ過による分離で二つのピークが観察された。二つの画分はいずれも両アミノペプチダーゼ活性を示すものの、その比は大きく異なり、少なくとも二種類の異なる性質を持つアミノペプチダーゼの存在を示唆する結果を得た。 また、これら二つのアミノペプチダーゼ活性の至適pHはいずれも7付近にあり、これはシアリダーゼの活性化における至適pH5.0とは異なるものであった。さらに、分離されたアミノペプチダーゼのプロテアーゼ阻害剤による影響を調べたところ、これまで報告されたヒト胎盤アミノペプチダーゼAのそれとは異なるものであり、現在更なる精製及び酵素学的な諸性質の検討を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masao Hiraiwa: "Activation of human lysosomal sialidase" J.Biochem.114. 901-905 (1993)
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[Publications] 斎藤麻由: "ヒト胎盤β-ガラクトシダーゼ保護蛋白(カルボキシペプチダーゼについて" 第66回日本生化学会大会発表抄録集. 65. 739 (1993)
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[Publications] 斎藤麻由: "シアル酸誘導体によるシアリダーゼ活性の阻害:酵素免疫学的活性の測定" 日本薬学会第114年会講演要旨集. 3. 149 (1994)
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[Publications] 斎藤麻由: "牛肝臓リソゾーム性β-ガラクトシダーゼ複合体の分子構築" 日本薬学会第115年会講演要旨集. 3. 70 (1995)
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[Publications] 竹内信昭: "イトマキヒトデ卵巣に含まれるシアリダーゼについて" 日本薬学会第115年会講演要旨集. 3. 115 (1995)